日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG61] 海洋底地球科学

2018年5月23日(水) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:沖野 郷子(東京大学大気海洋研究所)

[SCG61-P05] 駿河湾石花海周辺海域の地質学的特徴

*坂本 泉1藤巻 三樹雄1横山 由香1八束 翔1佐藤 将大1安積 尚宏1 (1.東海大学海洋学部)

キーワード:駿河湾、石花海、破断礫

石花海は、駿河湾中央部に位置する高まりで、北堆と南碓の双子山である。両者とも北東-南西方向に長軸を持ち、東側に急斜面、西側には緩斜面が発達している。東海大学では調査船望星丸を用いて石花海周辺の詳細な地形図作成および採泥による地質調査を行って来た。

石花海東側斜面では最大約2000/4000mの急斜面が発達している。北堆では水深500m、1300m、1550m付近に平坦面が発達し、水深300m、550m、750-800m、1200-1300m 1450-1650m付近に傾斜変換点が観察された。南碓では、水深1600-1800m、2200-2300m付近に平坦面が、水深300-325m、500m、650-7000m、1000-1150m、1400-1450mに傾斜変換点が観察された。これらの地形変換点や平坦面による地形変化は、沈み込み帯陸側斜面に特徴的な逆断層による階段状地形に相当する物と推定される。

北堆・南堆東側斜面で行われた採泥では、下位(1800m)より固結~半固結の砂質堆積岩が採取され、同時に撮影された画像には凹凸に富む地形の発達が観察された。南堆水深1600mの平坦面から斜面で行われた採泥では、礫岩と泥岩~砂岩が採取され、破砕された露頭や角礫状の破片が散在しているのが撮影により観察された。北堆水深800m付近で行われた採泥では、広い範囲に渡って礫岩の露頭が分布しているのが確認された。

石花海東側斜面から採取された多量の礫は、堆積岩が約95%を占め、火山岩礫は少なく、多くは安部川起源の物と推定された。また約9割の礫は、破砕されており、1)一部に円礫の形状を残しつつも破砕されている礫、2)全ての面が破砕された超角礫質の岩片、3)表面にジグソークラックが発達し、礫間には細粒の破片が埋めている岩片、が記述された。
これら多量の破断礫は、中央構造線等の断層運動により形成された破断礫に類似しており、石花海東側急斜面に分布すると推定される逆断層の活動により形成されたと推定される。