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[SCG63-11] 岩石破壊-高温ガス相互作用による過渡電流の測定
キーワード:岩石破壊、深層流体、過渡電流
2011東北沖地震では、地震後に海溝軸付近の海底ちかくで採取された海水から深層由来の13Cや3Heが検出された(Kawagucci e tal. Sci. Rep. 2012:Sano et al. Nature Comm. 2013)。この事実から震源核の不安定破壊(地震)発生に前駆する準静的破壊過程に深層流体/ガスが影響した可能性が高い。このような岩石破壊-深層ガスの相互作用が、地震に伴う電磁気的な効果を生じさせると考えている。この仮説を実証するためにラボ実験を行った。すなわち万能試験機に取り付けた圧入冶具内にガス流露を設け、岩石破壊と同時に先端のスリットからのガスが破壊面を通過するようにして、微小電流計を用いて電極に捕集した帯電ガス電流を測定した。試験岩石には石英を含む閃緑岩・玄武岩、石英を含まない斑レイ岩を用い、ガスはCO2、N2、CH4、過熱蒸気とし、その温度は室温ならびに約160℃とした。実験の結果、ピーク電流は岩石やガスの種類・圧力、電極の印加電圧には関係なく、破壊面とガス流れとの相互作用面積に比例し、岩石破壊-ガス相互作用の単位面積あたりの電流値は平均0.001A/m2であった。この値は1965-1967松代群発地震(Enomoto et al. Sci. Rep. 2017)ならびに2011東北沖地震乃地磁気変動を定量的い説明できる。