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[SCG65-09] 周波数依存性をもつ地盤増幅特性のリアルタイム補正:震動継続時間の予測を目指した位相遅れ導入
キーワード:地震動即時予測、地震増幅特性、リアルタイム、IIRフィルター、位相
地震動即時予測において,地盤増幅特性を適切に補正することは精度向上に結びつく.振幅特性に加えて位相特性もリアルタイムで補正する方法を考察したので報告する.これにより,震動継続時間の正確な即時予測に結びつけることができる.
現在,多くの地震動即時予測の方法は震源位置とマグニチュード,M,の即時推定を行い,その震源位置とMから各地の揺れの強さを予測するものが多い.一方,最近,震源位置とMの推定をすることをスキップして,データ同化手法を用いて波動場を即時推定し,そこから,波動伝播の物理を用いて未来の波動場を推定する手法が考察されている(Hoshiba and Aoki, 2015; Kodera et al, 2018).
地盤増幅特性は,震源特性や伝播経路特性とともに地震動を特徴づける重要な要素であり,周波数に依存する.地震動即時予測では,この周波数依存性をリアルタイムで補正することが求められ,このため,(周波数空間上ではなく)時間空間上で補正することが好ましい.この時間空間上での補正は,これまで,IIRフィルターを用いる方法がHoshiba (2013)によって提案されている.しかし,そこでは,地盤増幅特性の振幅特性のリアルタイム補正については十分に考慮されているが,位相特性については、最小位相特性を仮定したため、必ずしも十分に考慮されているわけではない.このため,盆地構造等でしばしば観測される継続時間の長い震動については必ずしも再現することができなかった.最近,Pilz and Parolai (2016)は,位相特性を導入することを議論しているが,最小位相特性に則ったものである.
本発表では,最小位相特性の仮定を外してMixed位相特性にしたIIRフィルターを用いることを提案する.具体的には,最小位相特性のフィルターに,オールパス特性を持つフィルターを追加することを行う.このことにより,盆地構造等での長い継続時間の震動が再現でき,地震動即時予測での震動継続時間の予測に結びつく.
現在,多くの地震動即時予測の方法は震源位置とマグニチュード,M,の即時推定を行い,その震源位置とMから各地の揺れの強さを予測するものが多い.一方,最近,震源位置とMの推定をすることをスキップして,データ同化手法を用いて波動場を即時推定し,そこから,波動伝播の物理を用いて未来の波動場を推定する手法が考察されている(Hoshiba and Aoki, 2015; Kodera et al, 2018).
地盤増幅特性は,震源特性や伝播経路特性とともに地震動を特徴づける重要な要素であり,周波数に依存する.地震動即時予測では,この周波数依存性をリアルタイムで補正することが求められ,このため,(周波数空間上ではなく)時間空間上で補正することが好ましい.この時間空間上での補正は,これまで,IIRフィルターを用いる方法がHoshiba (2013)によって提案されている.しかし,そこでは,地盤増幅特性の振幅特性のリアルタイム補正については十分に考慮されているが,位相特性については、最小位相特性を仮定したため、必ずしも十分に考慮されているわけではない.このため,盆地構造等でしばしば観測される継続時間の長い震動については必ずしも再現することができなかった.最近,Pilz and Parolai (2016)は,位相特性を導入することを議論しているが,最小位相特性に則ったものである.
本発表では,最小位相特性の仮定を外してMixed位相特性にしたIIRフィルターを用いることを提案する.具体的には,最小位相特性のフィルターに,オールパス特性を持つフィルターを追加することを行う.このことにより,盆地構造等での長い継続時間の震動が再現でき,地震動即時予測での震動継続時間の予測に結びつく.