日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG66] 3次元地質モデリングとシミュレーションの新展開

2018年5月22日(火) 13:45 〜 15:15 A10 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:高野 修(石油資源開発株式会社技術研究所)、木村 克己(独立行政法人防災科学技術研究所)、座長:高野 修(石油資源開発)

[SCG66-06] 建設関連業における3次元地質解析技術の実践と展望 “3次元地質解析技術コンソーシアムの取り組みについて”

★招待講演

*西山 昭一1 (1.応用地質株式会社)

キーワード:3次元地質解析、3次元地質モデル、CIM

近年,国土交通省の推進するCIM(Construction Information Modeling/Management)の試行が進み、建設現場では3次元地質モデルを扱う事例が増加している.建設関連業とは測量業・地質調査業・建設コンサルタントをまとめた総称であり,公共工事等の事業において事前の調査・計画・設計を担う.CIMの3次元地質モデルを構築する立場になり得るのは建設関連業の地質技術者となる.
 一方で,CIM提唱以前から3次元地質モデルは,合意形成・説明性向上のための可視化,数値シミュレーション・設計図面作成などの二次利用,地質構造検討や研究などの目的で利用されている.しかし,3次元地質モデルには明確な品質基準はなく,品質の評価は,地質技術者の経験や主観,モデルを利用する顧客の判断,3次元モデリングツールの性能に委ねられている.
 3次元地質モデルを構築する技術は3次元地質モデリングや3次元地質解析技術と呼ばれはするものの,現状,体系立てられている技術ではない.CIMにおける3次元データは事業の調査・設計・施工・維持管理のプロセス全体で共有されるものであり,3次元地質モデルにおいても品質を示し信頼性を確保することは重要な課題と考えられる.これらの課題に取り組むため,全国地質調査業協会連合会における「新マーケット創出・提案型事業」にて,2017年3月に実務者で構成される3次元地質解析技術コンソーシアムを設立した.
 コンソーシアムの2017年度の活動では、3次元地質解析技術の技術マニュアルを作成した.今後は,技術マニュアルのバージョンアップをおこなうとともに、技術普及活動に取り組む計画である.
今回の発表では,コンソーシアムの成果について紹介するとともに、土木・建築分野における実務の流れを踏まえた3次元地質解析技術の実践状況や,技術的課題について報告する.