[SGL30-P09] 開放温度と形状因子
キーワード:開放温度、形状因子、閉止温度、緩和時間
物体中の物質拡散に関して球、円筒、無限平面形状の厳密解が存在する. 鉱物中の拡散を考える時、岩体の冷却過程と実験室での加熱過程は時間の向きを除いて同等とみなして、実験室で得られた拡散パラメーターが鉱物の閉止温度 (closure temperature) の計算に用いられる. Dodson (1973)の冷却過程のモデルでは年代測定においてある特定の鉱物中の注目する同位体の拡散について閉鎖系になったみなせる時点(温度)が同位体時計のスイッチが入った時刻-すなわち冷却年代の開始時点(閉止温度)と定義される. しかしながらこのモデルではスイッチが入るのはいつかという定義にあいまいさが残る. Dodsonはこれを冷却速度というある意味, 測定不可能な因子を採用して, 自由度を持たせた. 一方, 拡散の厳密解の近似解は失われた同位体の割合をArrheniusの関係を使って温度あるいは緩和時間の関数として表現することができる. Dodsonによれば形状因子は単なる数値として表現され閉止温度はすべて同じ関数形をしているが, これら近似解の場合は損失の割合fに対するそれぞれの関数形が異なる.
年代測定では岩石が初期(冷却)年代を保持しているかあるいは得られた年代から初期年代が回復できるかが重要な点である. 二次的な事象があったとしても誤差の範囲内で「年代」として回復できる最大の温度をここでは開放温度 (unclosure temperature) と名付ける. Turner (1968) 他のシミュレーションによれば適当な粒径分布では球状でf ~ 20%. 円筒, 平板形状でf ~ 10%を超えない範囲で高温部のプラトー年代は冷却年代とみなすことがわかっている. これらの関係を用いて開放温度を求めた. 緩和時間により得られる温度は異なるが, 緩和時間t ~ 1 Maの範囲で閉止温度と開放温度のある程度の一致が見られる. 開放温度と緩和時間からより実際的に冷却年代を考察する.
年代測定では岩石が初期(冷却)年代を保持しているかあるいは得られた年代から初期年代が回復できるかが重要な点である. 二次的な事象があったとしても誤差の範囲内で「年代」として回復できる最大の温度をここでは開放温度 (unclosure temperature) と名付ける. Turner (1968) 他のシミュレーションによれば適当な粒径分布では球状でf ~ 20%. 円筒, 平板形状でf ~ 10%を超えない範囲で高温部のプラトー年代は冷却年代とみなすことがわかっている. これらの関係を用いて開放温度を求めた. 緩和時間により得られる温度は異なるが, 緩和時間t ~ 1 Maの範囲で閉止温度と開放温度のある程度の一致が見られる. 開放温度と緩和時間からより実際的に冷却年代を考察する.