09:15 〜 09:45
[SIT27-02] 地球深部液体の構造と物性
★招待講演
キーワード:地球深部液体、計算機シミュレーション、構造、物性
凝縮系(固体、液体)の物理的・化学的性質は、微視的な原子構造によって決まる。微視的構造は一般には各種実験測定により決定できるが、とくに高圧、高温などの極限環境下の液体においては多くの実験的困難に直面する。それにもかかわらず新しい実験技術の開発と次世代放射光施設の建設により地球深部流体(マグマ、液体鉄)の構造と物性がさらに解明されることが期待されている。
他方、理論では高性能計算機を用いた結晶構造予測法が、地球科学、超硬物質、高温超伝導などの極限環境物質科学で大きな成果を挙げてきたが[1, 2]、基本的に絶対温度ゼロの周期系を前提とした手法であるため地球深部の高温高圧下での液体やアモルファス固体などの非周期系へと拡張しようとすると粒子の運動やサイズ効果による多くの困難が生じる。しかし、計算機ハードの能力の向上はめざましく、今後開発が期待されるポスト・ポスト「京」時代の計算機を見据えた新たなアルゴリズムの研究等によりこれらの困難を克服し新しい物理を発見しようとする挑戦が行われている。本講演では、サイズ効果、ミクロ不均一性など幾つかの例を挙げて紹介する[1, 2]。
参考文献
[1] 特集:極限の探求:スーパーコンピュータ「京」による挑戦, 高圧力の科学と技術 27 (2017). http://www.jstage.jst.go.jp/browse/jshpreview/27/3/_contents/-char/ja
[2] ポスト「京」萌芽的課題(1)サブ課題C, 地球惑星深部物質の構造と物性, http://www.iitaka.org/~xmat/
他方、理論では高性能計算機を用いた結晶構造予測法が、地球科学、超硬物質、高温超伝導などの極限環境物質科学で大きな成果を挙げてきたが[1, 2]、基本的に絶対温度ゼロの周期系を前提とした手法であるため地球深部の高温高圧下での液体やアモルファス固体などの非周期系へと拡張しようとすると粒子の運動やサイズ効果による多くの困難が生じる。しかし、計算機ハードの能力の向上はめざましく、今後開発が期待されるポスト・ポスト「京」時代の計算機を見据えた新たなアルゴリズムの研究等によりこれらの困難を克服し新しい物理を発見しようとする挑戦が行われている。本講演では、サイズ効果、ミクロ不均一性など幾つかの例を挙げて紹介する[1, 2]。
参考文献
[1] 特集:極限の探求:スーパーコンピュータ「京」による挑戦, 高圧力の科学と技術 27 (2017). http://www.jstage.jst.go.jp/browse/jshpreview/27/3/_contents/-char/ja
[2] ポスト「京」萌芽的課題(1)サブ課題C, 地球惑星深部物質の構造と物性, http://www.iitaka.org/~xmat/