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[SSS08-08] 2016年熊本地震に伴う阿蘇谷の亀裂群はどのように起こったか
キーワード:2016熊本地震、亀裂、側方移動型地溝
2016熊本地震で、阿蘇谷に多数の亀裂が現れた.それは成因から2タイプに区分できる.一つは、旧河道や採掘地等の埋め戻し跡の亀裂群である.役犬原の例がその典型で、旧河岸線沿いに沈下とすべりによる横ずれ変位が現れた.もう一つが陥没性亀裂で,内牧,狩尾,的石に現れた.代表測線で地下数百mまでのS波構造を求めたところ,北へ緩く傾く地層構造が確認された.地震時に1~2km四方の範囲が北に動いたことがわかっており、地下構造から地下60m程度までの深さまでの地盤が動いたとみられる.陥没性亀裂群の成因は、移動領域の引張部に生じたLateral-spread grabenである.的石地区ではリモナイトの採掘跡での沈下が加わり,さらに変位を拡大させた.