[SSS08-P15] 高解像度DEMを用いた長野県大町市街地の活断層分布の検討
キーワード:活断層、変動地形、数値標高モデル、糸静線断層帯、大町市街地
糸魚川-静岡構造線断層帯は,長野県北安曇郡小谷村から山梨県南巨摩郡早川町に至る長さ約158 kmの長大な活断層帯であり,その北部区間(小谷~明科)は, ひとつの活動区間として活動する場合M7.7の大地震を引き起こす可能性があるとされている.今回,航空レーザー測量に基づく高解像度の数値標高モデル(DEM)を用いた変動地形学的検討により,鹿島川扇状地面において,大町市街地を南北に横切る長さ約1 kmの活断層が推定された.このトレースは大町市の中央通り沿いにあり,人工構造物が密集するため,航空写真判読による認定は容易ではない.活断層が推定される根拠は,等高線からわかる鹿島川扇状地面の傾斜異常,地形断面からわかる東側の隆起,および断層トレース近傍における旧流路地形の分布異常である.地形異常は南方ほど明瞭であるため,このトレースはより南方へと連続する可能性が高い.なお,本研究は杉戸・後藤(投稿準備中)の一部である.費用の一部には科学研究費補助金若手研究(B)課題番号15K16285および同基盤研究(B)課題番号16H03114を使用した.