12:00 〜 12:15
[SSS14-11] 八代平野南北測線での臨時地震観測と地震動特性評価
キーワード:地震動特性、臨時地震観測、八代平野南北測線
八代平野は、熊本県中南部に位置する東西約10km、南北約25kmの沖積平野であり、平野の北側には第四紀の火成岩が露出する宇土半島、東側から南側にかけては日奈久断層帯を挟んで九州山地が位置している。八代平野では、平野内を流れる球磨川、砂川、氷川などの河川により扇状地や干潟が形成されており、基盤上に軟弱地盤層が厚く堆積していると考えられている(東・他, 2014など)。また、近世以降の干拓地が平野の約3分の2を占めている。
地震調査研究推進本部による評価では、日奈久断層帯日奈久区間の活動により八代平野の広い範囲で予測最大震度7の強震動が発生する場合があると想定されている。本研究では、八代平野での詳細な地震動特性を評価することを目的に、平野北端部の宇土半島から南端部の球磨川までの、八代平野を南北に縦断する総長20kmの区間(八代平野南北測線)で地震観測を実施した。南北の測線上に約2km間隔で12箇所と、測線に近い岩盤サイトに2箇所の計14箇所に地震計を設置し、2017年5月9日から現在まで観測を継続している。地震計は白山工業製ロガーLS8800とミツトヨ製加速度計JEP-6A3を使用し、地震計からの加速度信号を連続記録として100Hzサンプリングで収録している。
収録した地震記録を用いて、基準観測点に対する各観測点のフーリエ振幅スペクトル比を求めることで地盤増幅特性の評価を行なった。基準観測点は九州山地西麓に設置した岩盤サイトとし、スペクトルの算出にはS波到達から20.48秒間のデータを用いている。八代平野内に位置する観測点に全般においてスペクトル比が0.3~2Hzの低周波帯域で大きく卓越しており、平野全体が厚い堆積層に覆われていることに対応している。一方、測線の北端部および南端部に近い観測点では1~2Hz付近の周波数帯域で卓越が見られた。振幅比も八代平野内の観測点のものよりも小さく、堆積層の層厚の減少に対応した変化がみられていると考えられる。
今後、各観測点の周辺において微動アレー観測を実施し、S波速度構造と理論増幅特性を求め、地震記録による地盤増幅特性の結果とあわせて八代平野における地震動特性についてさらに議論を行なう予定である。
地震調査研究推進本部による評価では、日奈久断層帯日奈久区間の活動により八代平野の広い範囲で予測最大震度7の強震動が発生する場合があると想定されている。本研究では、八代平野での詳細な地震動特性を評価することを目的に、平野北端部の宇土半島から南端部の球磨川までの、八代平野を南北に縦断する総長20kmの区間(八代平野南北測線)で地震観測を実施した。南北の測線上に約2km間隔で12箇所と、測線に近い岩盤サイトに2箇所の計14箇所に地震計を設置し、2017年5月9日から現在まで観測を継続している。地震計は白山工業製ロガーLS8800とミツトヨ製加速度計JEP-6A3を使用し、地震計からの加速度信号を連続記録として100Hzサンプリングで収録している。
収録した地震記録を用いて、基準観測点に対する各観測点のフーリエ振幅スペクトル比を求めることで地盤増幅特性の評価を行なった。基準観測点は九州山地西麓に設置した岩盤サイトとし、スペクトルの算出にはS波到達から20.48秒間のデータを用いている。八代平野内に位置する観測点に全般においてスペクトル比が0.3~2Hzの低周波帯域で大きく卓越しており、平野全体が厚い堆積層に覆われていることに対応している。一方、測線の北端部および南端部に近い観測点では1~2Hz付近の周波数帯域で卓越が見られた。振幅比も八代平野内の観測点のものよりも小さく、堆積層の層厚の減少に対応した変化がみられていると考えられる。
今後、各観測点の周辺において微動アレー観測を実施し、S波速度構造と理論増幅特性を求め、地震記録による地盤増幅特性の結果とあわせて八代平野における地震動特性についてさらに議論を行なう予定である。