日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[EJ] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT48] 合成開口レーダー

2018年5月21日(月) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:森下 遊(国土地理院)、小林 祥子(玉川大学)、木下 陽平(一般財団法人リモート・センシング技術センター、共同)、阿部 隆博(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター)

[STT48-P11] 長野県北部における5mと10m解像度のDEMを用いたPALSAR-2 データの干渉解析

*清澤 友弥1佐藤 浩2 (1.日本大学大学院理工学研究科地理学専攻、2.日本大学文理学部)

キーワード:ALOS-2、InSAR、地すべり

ALOS-2に搭載されたPALSAR-2データを利用し、長野県北部においてレンジ方向8ルック、アジマス方向8ルックのSAR干渉画像を生成した。用いたPALSAR-2データは、2014年12月9日から2018年1月30日までのディセンディングのライトルック(パス19、フレーム2880)である。生成には、Ozawa et al.. (2016)のRINC 0.39を用いた。生成にあたって、地形補正に用いる3つの楕円体高データ(Digital Ellipsoidal Height Model, DEHM; 飛田ほか, 2005)を比較した。これは、解像度が高いDEHMを用いたほうが、より干渉性の高い画像が得られることを期待してのことである。
1つめのDEHMは、国土地理院の5m DEM(Digital Elevation Model, DEM)から生成したものである。ジオイド高については、日本のジオイド2011を用いた(Miyahara et al., 2014)。このDEMが整備されていない地域については、1/25,000地形図から生成された国土地理院の10m DEMを5mに内挿して補った。
2つめのDEHMは、国土地理院の10m DEMから生成したものである。5m DEMが整備されている地域については、これを10mにリサンプリングして用いた。ジオイド高については、同様に、日本のジオイド高2011を用いた。
3つめのDEHMは、国土地理院の10m DEMのみから生成したものであり、ジオイド高については、NGA/NASAのEGM96を用いた。
この結果、1つめのDEHMを用い干渉処理をした画像が最も干渉性がよくなる傾向が見られた。今後,5m DEHMを用いたSAR干渉画像が、長野県北部における地すべり性地表変動の検出にどの程度、役立つか、検討を進める。なお、PALSAR-2データや3つめのDEHMについては、東京大学地震研究所の特定(B)「新世代合成開口レーダーを用いた地表変動研究」の枠組みでJAXAから支給されたものを用いた。


参考文献
Miyahara et al., 2014, http://www.gsi.go.jp/common/000099005.pdf
Ozawa et al., 2016, doi: 10.1186/s40623-016-0563-5.
Tobita et al., 2005, http://www.gsi.go.jp/common/000024818.pdf