日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-VC 火山学

[S-VC40] 火山防災の基礎と応用

2018年5月24日(木) 15:30 〜 17:00 A04 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:吉本 充宏(山梨県富士山科学研究所)、宝田 晋治(産業技術総合研究所活断層・火山研究部門)、石峯 康浩(鹿児島大学地域防災教育研究センター、共同)、久保 智弘(防災科学技術研究所)、座長:石峯 康浩(鹿児島大学地域防災教育研究センター)、宝田 晋治(産総研地質調査総合センター)、吉本 充宏(山梨県富士山科学研究所)

16:30 〜 16:45

[SVC40-11] 草津白根火山、本白根山2018年噴火の放出岩塊による被害調査の速報

*吉本 充宏1本多 亮1小森 次郎2石峯 康浩3山田 浩之4 (1.山梨県富士山科学研究所、2.帝京平成大学、3.鹿児島大学地域防災教育研究センター、4.防衛大学校)

キーワード:草津白根火山、放出岩塊、火山災害

草津白根山本白根火山は1500年ぶりに活動し、水蒸気噴火を起こした。この噴火では放出火山岩塊によって1名の死者と11名の負傷者がでた。放出火山岩塊による被害は、本白根火山鏡池北火砕丘の500m北~北東を通過するロープウェイの山頂駅や搬器に及んでいる。従業員による証言では、山頂駅では少なくとも3カ所天井が貫通している。噴火時には、50器が運行されており、そのうち28器が山麓駅に22器が山頂駅に格納された。本調査では、山麓駅に格納されていた40器のうち噴火当時使用されていた28期の被害状況を調査した(調査日は1月26,27日)。上り下り合わせ9器の搬器に噴石による破損が見つり、その他13器には火山灰の付着が見られた。特に損傷のひどかった搬器は火口側の側面の窓が全損、ケーブルへの接続部の変形、搬器自体の床を貫通した跡が見受けられた。また、9器のうち3器は火口と反対側の側面にも損傷が見られた。そのほか天井部を噴石が貫通した搬器も確認された。本発表ではこれらの搬器の被災状況について紹介する。今後、搬器の詳しい被災状況調査を実施し、放出火山岩塊の着弾速度など解明につながるデータを収集する予定である。