日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-GE 地質環境・土壌環境

[A-GE30] 地球陸域表層の土壌環境の保全と修復

2019年5月28日(火) 13:45 〜 15:15 202 (2F)

コンビーナ:森 也寸志(岡山大学大学院環境生命科学研究科)、座長:森 也寸志(岡山大学)

14:55 〜 15:15

[AGE30-05] GPS信号を使った広範囲土壌水分量の測定

★招待講演

*登尾 浩助1長沼 菜摘1 (1.明治大学)

キーワード:土壌水分、GPS衛星、SN比

畑地作物栽培時の灌漑水量の予測、地下水涵養量の推定、地滑り予報などにとって、広範囲の土壌水分量の測定は必要不可欠である。1980年にToppらによってTDR水分計が紹介されて以来、ある地点における土壌水分量の測定は高精度かつ簡易に、しかも遠隔で自動測定とデータ回収が可能になって来ている。しかし、広範囲な土壌水分量の測定となると、従来は人工衛星データを使った広域の測定であったり、宇宙線を使った測定法が紹介されているが、解像度や測定精度に問題があったり、特殊な測定器が必要であったりと、なかなかルーチーン観測にまでは適用されていない。Larsonらは2008年にGPS信号に含まれる地上反射波強度とGPSアンテナ周辺の土壌水分量に有意な関係があることを報告している。GPS衛星は24時間地球上のいかなる位置においても観測可能なように配置されているので、GPS信号から土壌水分量を推定できれば、活用法は計り知れない。本報告では、GPS信号による広範囲土壌水分量測定の原理と測定例について概説する。