日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS17] 黒潮大蛇行

2019年5月28日(火) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:美山 透(国立研究開発法人海洋研究開発機構・アプリケーションラボ)、碓氷 典久(気象研究所)、瀬藤 聡(国立研究開発法人水産研究・教育機構中央水産研究所)

[AOS17-P03] 2018年夏の黒潮大蛇行再強化

*美山 透1宮澤 泰正1 (1.国立研究開発法人海洋研究開発機構・アプリケーションラボ)

キーワード:黒潮大蛇行、海洋再解析、渦

2017年8月末に始まった黒潮大蛇行は、始まってから1年以上経つ。既に前回の2004/2005年や前々回の1989/1990のイベントよりも長くなっている。大蛇行を構成する低気圧性渦の強さをFRA-JCOPE2再解析(Miyazawa et al. 2009)の135-140ºE 30-35ºN海面高度の最低値として定義すると(小さいほど渦は強い)、渦の強さは黒潮大蛇行が始まって強化された後、2018年の春からは弱化に転じている。しかし、2018年の夏からは再び強化に転じた。同様な傾向は海面下の温度場にも見られる。さらに観測された力学高度(E.U. Copernicus Marine Service Information)でも確かめられた。1975-80年の大蛇行の時は,晩春から夏の時期に 毎年冷水渦の強さが回復したとSekine et al. (1985)で報告されている。したがって、2018年夏に見られた黒潮大蛇行の再強化は、今回の大蛇行が長く続いていることに何らかの役割を果たしている可能性がある。本公演でその時の状況と力学について報告する。