[AOS17-P03] 2018年夏の黒潮大蛇行再強化
キーワード:黒潮大蛇行、海洋再解析、渦
2017年8月末に始まった黒潮大蛇行は、始まってから1年以上経つ。既に前回の2004/2005年や前々回の1989/1990のイベントよりも長くなっている。大蛇行を構成する低気圧性渦の強さをFRA-JCOPE2再解析(Miyazawa et al. 2009)の135-140ºE 30-35ºN海面高度の最低値として定義すると(小さいほど渦は強い)、渦の強さは黒潮大蛇行が始まって強化された後、2018年の春からは弱化に転じている。しかし、2018年の夏からは再び強化に転じた。同様な傾向は海面下の温度場にも見られる。さらに観測された力学高度(E.U. Copernicus Marine Service Information)でも確かめられた。1975-80年の大蛇行の時は,晩春から夏の時期に 毎年冷水渦の強さが回復したとSekine et al. (1985)で報告されている。したがって、2018年夏に見られた黒潮大蛇行の再強化は、今回の大蛇行が長く続いていることに何らかの役割を果たしている可能性がある。本公演でその時の状況と力学について報告する。