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[AOS20-04] 過去40年間にわたる亜熱帯モード水の物理・生物地球化学的10年規模変動
キーワード:亜熱帯モード水、黒潮続流、十年規模変動、分野横断
西部北太平洋を横断する東経137度定線での半世紀にわたる観測から、遠隔強制による亜熱帯モード水(STMW)の物理・生物地球化学的10年規模変動が過去40年間にわたり起きていたことを明らかにした。太平洋十年規模振動(PDO)のwarm phaseから3-4年遅れで起きる黒潮続流の不安定期には、続流周辺における活発な渦活動が続流南の海域におけるSTMWの形成量と塩分をともに低下させる。日本の南の東経137度定線では、続流南側の形成域からのSTMWの西向き移流の減少により、STMWの断面積、溶存酸素、pH、アラドナイト飽和度が減少し、栄養塩と溶存無機炭素が増加する。その中でも特に炭酸系パラメタの変化は、それらの長期トレンドを加速するものである。逆に黒潮続流の安定期には、これらの変化は逆転し、海洋酸性化は減速する。とりわけ、2010年以降続いている現在の黒潮安定期では、酸性化のハイエイタスが生じている。