[HCG34-P03] 飯舘村農業再生のための意識の風化払しょくの試み
キーワード:被災地、意識の風化、農学、現地見学
東日本大震災後、農業・農村の復興は徐々に進められてきた。一方、被害の風化、意識の風化というキーワードが用いられるようになっている。震災からの復興にはインフラなどのハード面に加えて、人々の心の復旧が重要である。そのため、被災地域内外で情報を共有し、被災地域の住民が感じる疎外感を取り除くための相互理解を進める必要がある。また、意識の風化を食い止めることは、今後起こり得る災害への防災意識を忘れず、未来への教訓として震災の実情を伝えていくためにも重要である。
そこで、著者らは地元農家の方々や認定NPO法人ふくしま再生の会やとの協力により、福島県外の人が震災の状況を把握できるよう、また、その後の復興に向けた取り組みを実際に感じることができるよう、福島県飯舘村における現地見学会や現場体験企画を行ってきた。特に大学教員という立場から、若い世代に震災の悲惨さ、そこから這い上がる住民の強さを知ってもらい、これからの未来のために何ができるのかを自身の問題として考えてもらうために、学生の現場体験・現地見学への参加を募集するとともに、被災地における専門家の取組みに関する授業のレポートとして、農業分野からできる復興支援を考えてもらう課題を提示するなど、若者の現場意識を高める工夫を行っている。
現場体験企画は2013年から、稲刈りや田植え、水稲の生育調査など、地元農家の方々と一緒に作業をしながら話ができる場を設け、現地見学では地元の方に当時の様子や話をうかがいながら進める場を設けた。授業では、著者の専門分野である土壌物理や農業工学の分野から、被災地である福島県飯舘村の復興においてどのような活動ができるか、土壌吸着等のメカニズムや農業工学的な技術と絡めた放射性物質汚染の浄化手法や対策等を紹介するとともに、他の専門分野の現地での取組み、一般の方々の取組み等、多岐にわたる現場復興支援の取組みを紹介することで、現場での取り組みに関する意識付けを図っている。また、レポート課題としては、被災地の現状と課題を挙げ、農学分野からどのような復興支援ができるかを課している。農業復興のための6次産業化による加工品販売、webを用いた宣伝、通販システムの構築等、若者ならではの意見が出された。本発表では、実際に行った現場体験企画、現地見学会の内容とその参加者の意見や感想、授業内容とその授業を受けた学生からの農業復興への提案、の一部を紹介する。
そこで、著者らは地元農家の方々や認定NPO法人ふくしま再生の会やとの協力により、福島県外の人が震災の状況を把握できるよう、また、その後の復興に向けた取り組みを実際に感じることができるよう、福島県飯舘村における現地見学会や現場体験企画を行ってきた。特に大学教員という立場から、若い世代に震災の悲惨さ、そこから這い上がる住民の強さを知ってもらい、これからの未来のために何ができるのかを自身の問題として考えてもらうために、学生の現場体験・現地見学への参加を募集するとともに、被災地における専門家の取組みに関する授業のレポートとして、農業分野からできる復興支援を考えてもらう課題を提示するなど、若者の現場意識を高める工夫を行っている。
現場体験企画は2013年から、稲刈りや田植え、水稲の生育調査など、地元農家の方々と一緒に作業をしながら話ができる場を設け、現地見学では地元の方に当時の様子や話をうかがいながら進める場を設けた。授業では、著者の専門分野である土壌物理や農業工学の分野から、被災地である福島県飯舘村の復興においてどのような活動ができるか、土壌吸着等のメカニズムや農業工学的な技術と絡めた放射性物質汚染の浄化手法や対策等を紹介するとともに、他の専門分野の現地での取組み、一般の方々の取組み等、多岐にわたる現場復興支援の取組みを紹介することで、現場での取り組みに関する意識付けを図っている。また、レポート課題としては、被災地の現状と課題を挙げ、農学分野からどのような復興支援ができるかを課している。農業復興のための6次産業化による加工品販売、webを用いた宣伝、通販システムの構築等、若者ならではの意見が出された。本発表では、実際に行った現場体験企画、現地見学会の内容とその参加者の意見や感想、授業内容とその授業を受けた学生からの農業復興への提案、の一部を紹介する。