日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT18] 環境トレーサビリティー手法の開発と適用

2019年5月28日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:陀安 一郎(総合地球環境学研究所)、大手 信人(京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻)、Gabriel J Bowen(University of Utah)

[HTT18-P04] 降雪起源特定に向けた短時間スケールの化学特性解析

*鈴木 皓達1川越 清樹1安達 翔1藪崎 志穂2 (1.福島大学、2.総合地球環境学研究所)

キーワード:d-excess値、同位体、短時間スケール

気候変動により現状と異なる気象事象の発生が予測される.この影響を求めるため,将来の予測精度を高める取り組みを進めなければならない.また,現状の現象を緻密に特徴付ける必要もある.以上を踏まえて,雪環境を対象に現況の特徴を化学的に導出することを試みている.水資源への積雪依存度の高い阿賀野川を中心にイオン組成と濃度特性,安定同位体比より降雪起源の特定に向けた解析を進めた.既に本研究は2014年より継続して実施しており,阿賀野川では流域の上流域で日本海起源以外の降雪起源が存在することを明らかにしている.特に,流域北部の上流域の猪苗代湖北側は地域固有の降雪起源を示唆する化学特徴を示した(鈴木ら,2018).この結果をふまえて,現在は短時間スケールの降雪現象の化学特性を把握するための調査解析に取り組んでいる(2016~2018).流域の上流域に位置する福島,桧原,米沢で降雪時にサンプリングを行い,各日で取得した試料を化学分析することで,短時間スケールの降雪起源を追跡することを試みた.

本研究の結果をまとめると,2018年1月22~25日は南高東低と強力な西高東低の気圧配置が認められ,分析結果より得られる結果も気象状況に敏感に反応し,3地点で特徴的な降雪起源の影響が認められた.空間的なタイムラグの差異が明らかにされた.