[MIS14-P17] 新学術研究「固体地球と氷床の相互作用」2年次研究報告
キーワード:GIA、氷床変動、海面上昇、東南極
科学研究費の新学術領域研究の1つとして、2017年度より「熱~水~物質の巨大リザーバ 全球環境変動を駆動する南大洋・南極氷床」(領域代表:川村賢二) が開始した(http://grantarctic.jp)。本領域は、5カ年のプロジェクトとして、南大洋研究と関連した3つの課題(A01-1~A01-3)、南極氷床に関連した2つの課題(A02-1~A02-2)、新たな探査方法に関連した課題(A03)、および、統合的モデリングに関連した課題(A04)の7つの計画研究からなり、南極氷床や南大洋が全球環境変動におよぼす影響のシステムとしての理解や将来予測などを目的に、「南極環境システム学」の創成をめざしている。
この内、南極氷床変動は、海水準上昇や海洋循環を通して全球的環境変動と密接に関係しており、将来環境予測にも不可欠な要因である。このため、従来からも地形学的・地質学的調査、測地観測や衛星データを利用した研究が進められているが、そこでの大きな誤差要因が氷床荷重に対する固体地球の粘弾性応答(Glacial Isostatic Adjustment: GIA)の不確定性にある。そこで、我々が担当する「A02-2:固体地球と氷床の相互作用」では、GIAをキーワードとし、GIAに関連した現場観測データが特に不足している昭和基地を含む東南極の露岩や沿岸地域で、地形・地質調査や絶対重力測定・測地観測などを重点的に実施し、衛星データや数値モデリングの結果と合わせ、GIAモデルの高精度化や過去の定量的な氷床変動史の復元により未来の全球的環境変動予測モデルの精度向上を目指している。
我々のこれまでの研究として、2017年度には、昭和基地周辺およびリュツォ・ホルム湾の複数の露岩地域での絶対重力測定やGNSS観測,地形調査や表面露出年代測定用試料の採取などを行っており、その概要についてはJpGU2018大会でも報告した。また、2018年度には、2017年度に取得したデータや資料の解析に加え、GIAのモデリング研究を進めるとともに、観測面では、トロール基地(ノルウェー)およびマイトリ基地(インド)において絶対重力測定を実施した。ポスター発表では、2018年の研究を中心に、我々の計画研究班によるこれまでの研究成果の概要について報告する。
なお、本研究は、JSPS科研費(17H06321)の助成を受けて実施したものである。記して謝意を表する。
この内、南極氷床変動は、海水準上昇や海洋循環を通して全球的環境変動と密接に関係しており、将来環境予測にも不可欠な要因である。このため、従来からも地形学的・地質学的調査、測地観測や衛星データを利用した研究が進められているが、そこでの大きな誤差要因が氷床荷重に対する固体地球の粘弾性応答(Glacial Isostatic Adjustment: GIA)の不確定性にある。そこで、我々が担当する「A02-2:固体地球と氷床の相互作用」では、GIAをキーワードとし、GIAに関連した現場観測データが特に不足している昭和基地を含む東南極の露岩や沿岸地域で、地形・地質調査や絶対重力測定・測地観測などを重点的に実施し、衛星データや数値モデリングの結果と合わせ、GIAモデルの高精度化や過去の定量的な氷床変動史の復元により未来の全球的環境変動予測モデルの精度向上を目指している。
我々のこれまでの研究として、2017年度には、昭和基地周辺およびリュツォ・ホルム湾の複数の露岩地域での絶対重力測定やGNSS観測,地形調査や表面露出年代測定用試料の採取などを行っており、その概要についてはJpGU2018大会でも報告した。また、2018年度には、2017年度に取得したデータや資料の解析に加え、GIAのモデリング研究を進めるとともに、観測面では、トロール基地(ノルウェー)およびマイトリ基地(インド)において絶対重力測定を実施した。ポスター発表では、2018年の研究を中心に、我々の計画研究班によるこれまでの研究成果の概要について報告する。
なお、本研究は、JSPS科研費(17H06321)の助成を受けて実施したものである。記して謝意を表する。