日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS27] 大気電気学:大気電気学研究の自然災害軽減への応用

2019年5月28日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:芳原 容英(電気通信大学 大学院情報理工学研究科)、鴨川 仁(東京学芸大学教育学部物理学科)

[MIS27-P03] 房総旭観測点近傍の地震活動と地中ラドン濃度変動

*小島 春奈1服部 克巳2吉野 千恵2下 道國3小西 敏春4古屋 隆一5 (1.千葉大学大学院融合理工学府地球環境科学専攻地球科学コース、2.千葉大学大学院理学研究院、3.藤田保健衛生大学、4.応用光研株式会社、5.コムシステム株式会社)

キーワード:地圏-大気圏-電離圏結合、大気電場、大気イオン濃度、地中ラドン濃度

近年、地震に先行する電離層異常や衛星赤外異常などの電磁気学的な地震前兆現象が多く報告されている。これらの前兆現象と地震を結びつける理論として地圏―大気圏―電離圏結合(LAIC)が提案されている。本研究では、旭観測点にて大気電場、大気イオン濃度、ラドン濃度の同時観測を行い、LAICの化学チャネルについて観測学的検証を行っている。大気電気パラメータは主に気象要素の影響を受けるため、これらの影響を除去する必要がある。我々はMSSA(マルチチャンネル特異スペクトル解析)を用いて、地中ラドン濃度から気象による影響を除去し、地中からのRnフラックスを推定し、フラックスの変動と地震との関連について調査した。地震のパラメータとして観測点から50kmおよび100kmの累積地震モーメントとEs指数(観測点の感じる1日あたりの地震エネルギー)を用いて解析を行った結果、Rnフラックスの変動は、観測点近傍の地震活動と相関があることがわかった。この結果から、地中ラドン濃度のモニタリングは地域的な地震活動を監視する指標として有効であるといえる。より詳細な調査のために、地中ラドン濃度のネットワーク観測などを実施し、Rnフラックス変動の地震のマグニチュード依存性や距離依存性等の関係を調査する必要がある。