[SCG53-P02] 布田川断層西原村地域の浅部地下比抵抗構造とその信頼度
キーワード:熊本地震、布田川断層、比抵抗
2016年熊本地震では、地表面に多数の地表地震断層が発生した。これらは活断層として既に知られていた布田川断層に沿って分布している。このうち熊本県西原村においては、布田川断層は東西に並走する2条の活断層に分岐しており、このうち南側の地表トレースにおいて明瞭な変位が観測された。またInSARによる解析結果からは、2条の布田川断層に挟まれた地域で大きな変形が推測されている(Fujiwara et al., 2016)。InSARの結果ではさらに、布田川断層よりも南方に線状の地表破壊帯が認められているが、これは既に知られている活断層には相当していない。このように西原村地域では2016年熊本地震時の地表変位・破壊の分布は複雑であり、その要因は活断層沿いの地質構造の複雑さに起因するものと推測される。しかしながら、本地域での活断層周辺の浅部構造は明らかになっていない。
本研究では、布田川断層西原村地域において電磁探査(AMT探査)を実施し、地下浅部の比抵抗構造を解明した。使用機器はPhoenix Geophysics社製MTU-5Aである。観測点は合計で14点であり、布田川断層を南北方向にまたぐ測線上に配置されている。このうち11点で良好なMT応答関数を得ることができたため、Uchida and Ogawa (1993)によるABIC平滑化制約付きインバージョンを用いて2次元比抵抗モデルを作成した。スタティックシフトに関しては、Zssqの位相が空間的になだらかに変化する特徴を利用して、見掛比抵抗に空間平滑化を適用して補正を行った。
得られた地下比抵抗構造では、東西に並走する2条の布田川断層の両方に沿って、地下低比抵抗帯(地表直下~深さ500m以上)が存在することが明らかになった。2条の布田川断層のうち、北側の低比抵抗帯は北落ち60度程度で傾斜しており、地表での地質調査の結果と整合的である。一方、南側の低比抵抗帯は北側より規模が大きく(幅400m程度)、南傾斜の特徴を示した。これらの断層沿いの低比抵抗帯の信頼度について、主成分分析法とマルコフ連鎖モンテカルロ法に基づく評価(小路・後藤, 2019)を実施した。その結果、布田川断層から南傾斜で伸びる低比抵抗帯には感度が高いことが明らかとなった。このような2条の低比抵抗帯の存在や、そのうち1つが南傾斜である特徴は、これまでの地球物理学的・地質学的な調査結果では得られてないが、前述のInSARの解析結果とよく整合していることから、妥当な結果であると考えられる。結論としては、活断層における地表変位や地震動の理解や推定には、本研究のような活断層浅部の構造調査が重要であると考えられる。
本研究では、布田川断層西原村地域において電磁探査(AMT探査)を実施し、地下浅部の比抵抗構造を解明した。使用機器はPhoenix Geophysics社製MTU-5Aである。観測点は合計で14点であり、布田川断層を南北方向にまたぐ測線上に配置されている。このうち11点で良好なMT応答関数を得ることができたため、Uchida and Ogawa (1993)によるABIC平滑化制約付きインバージョンを用いて2次元比抵抗モデルを作成した。スタティックシフトに関しては、Zssqの位相が空間的になだらかに変化する特徴を利用して、見掛比抵抗に空間平滑化を適用して補正を行った。
得られた地下比抵抗構造では、東西に並走する2条の布田川断層の両方に沿って、地下低比抵抗帯(地表直下~深さ500m以上)が存在することが明らかになった。2条の布田川断層のうち、北側の低比抵抗帯は北落ち60度程度で傾斜しており、地表での地質調査の結果と整合的である。一方、南側の低比抵抗帯は北側より規模が大きく(幅400m程度)、南傾斜の特徴を示した。これらの断層沿いの低比抵抗帯の信頼度について、主成分分析法とマルコフ連鎖モンテカルロ法に基づく評価(小路・後藤, 2019)を実施した。その結果、布田川断層から南傾斜で伸びる低比抵抗帯には感度が高いことが明らかとなった。このような2条の低比抵抗帯の存在や、そのうち1つが南傾斜である特徴は、これまでの地球物理学的・地質学的な調査結果では得られてないが、前述のInSARの解析結果とよく整合していることから、妥当な結果であると考えられる。結論としては、活断層における地表変位や地震動の理解や推定には、本研究のような活断層浅部の構造調査が重要であると考えられる。