[HDS14-P01] 紀伊山地における14C年代測定による深層崩壊発生頻度の推定
★招待講演
キーワード:深層崩壊、炭素年代測定、紀伊山地
平成23年台風12号によって紀伊山地では深層崩壊と呼ばれる大規模な斜面崩壊が発生した。紀伊山地においては明治22年にも一般に十津川水害と呼ばれる災害が発生しており、当時の災害報告から大規模な斜面崩壊が発生していたことが分かる。以上のことから、紀伊山地では土砂災害対策として深層崩壊への対策が必要である。深層崩壊への対策を考える上では、候補地の優先順位や施設規模を検討するために対象地域における深層崩壊発生頻度が重要な指標である。
これまで深層崩壊の発生頻度は火山灰の堆積を利用した方法などが提案されてきている。しかし、紀伊山地では火山灰の分布が乏しく、深層崩壊発生頻度の推定に活用できない。近年、木片や炭化物などを試料とした炭素年代測定法を活用した土砂災害の発生年代推定事例が報告されている。そこで本研究では、木片や炭化物などを用いた炭素年代測定法を用いた深層崩壊発生頻度推定方法に基づき、紀伊山地における深層崩壊発生頻度を調査したので報告する。
試料採取方法については、下記のようなフローを構築した。
1 航空レーザー測量データを基にした崩壊堆積物の抽出
2 現地における予備調査
3 現地における詳細調査および試料採取
4 試料分析
1では航空レーザー測量データから作成された地形図を基に崩壊堆積物を抽出した。崩壊堆積物の抽出は、河道沿いを中心に行い、河道閉塞跡地と考えられる箇所を抽出した。2ではアクセス方法や概略的に試料となりうる炭化物の存在を確認した。3では2の結果を基に試料採取を行った。ここでは、今回作成した土壌も含めて採取できるサンプラーを活用した。さらに4として実際に試料分析を行い、年代測定結果を整理した。
調査の結果、調査実施箇所11箇所で28試料採取することが出来た。特に崩壊堆積物の上部や下部、あるいは水中堆積物では良好な試料を採取することが出来た。また試料分析の結果、紀伊山地においては、深層崩壊の発生頻度は概ね150~200年程度の間隔であることが分かった。提案したフローおよびサンプラーを活用することで試料採取が効率的に行える可能性が示された。また分析結果から、紀伊山地では概ね150~200年間隔で規模の大きな崩壊が発生していることが示されたが、これは過去の災害報告とも整合的である。ただし、測定された年代には誤差が含まれるため、精度よく年代を推定するためには今後さらなる検討が必要である。
これまで深層崩壊の発生頻度は火山灰の堆積を利用した方法などが提案されてきている。しかし、紀伊山地では火山灰の分布が乏しく、深層崩壊発生頻度の推定に活用できない。近年、木片や炭化物などを試料とした炭素年代測定法を活用した土砂災害の発生年代推定事例が報告されている。そこで本研究では、木片や炭化物などを用いた炭素年代測定法を用いた深層崩壊発生頻度推定方法に基づき、紀伊山地における深層崩壊発生頻度を調査したので報告する。
試料採取方法については、下記のようなフローを構築した。
1 航空レーザー測量データを基にした崩壊堆積物の抽出
2 現地における予備調査
3 現地における詳細調査および試料採取
4 試料分析
1では航空レーザー測量データから作成された地形図を基に崩壊堆積物を抽出した。崩壊堆積物の抽出は、河道沿いを中心に行い、河道閉塞跡地と考えられる箇所を抽出した。2ではアクセス方法や概略的に試料となりうる炭化物の存在を確認した。3では2の結果を基に試料採取を行った。ここでは、今回作成した土壌も含めて採取できるサンプラーを活用した。さらに4として実際に試料分析を行い、年代測定結果を整理した。
調査の結果、調査実施箇所11箇所で28試料採取することが出来た。特に崩壊堆積物の上部や下部、あるいは水中堆積物では良好な試料を採取することが出来た。また試料分析の結果、紀伊山地においては、深層崩壊の発生頻度は概ね150~200年程度の間隔であることが分かった。提案したフローおよびサンプラーを活用することで試料採取が効率的に行える可能性が示された。また分析結果から、紀伊山地では概ね150~200年間隔で規模の大きな崩壊が発生していることが示されたが、これは過去の災害報告とも整合的である。ただし、測定された年代には誤差が含まれるため、精度よく年代を推定するためには今後さらなる検討が必要である。