[HDS14-P06] ネパールSun Kosi川支川流域におけるSAR干渉画像による地すべり性地表変動の検出
キーワード:地すべり、SAR、地震、ネパール
2015年4月25日,ネパールの首都カトマンズ北西約80㎞地点においてMw7.8の地震(ネパール・ゴルカ地震)が発生し,その後の同年5月12日にはカトマンズ東北東約75㎞地点においてMw7.3の最大余震が生じた。これらの地震により,ネパールの山岳地帯では斜面災害が多発し,大きな被害を出した。また,ネパールはインドプレートがユーラシアプレートに衝突・沈み込みのある地域であり,地震が発生しやすいほか,山岳地域が広く分布し,モンスーン期に多量の雨が降るといった斜面災害が発生しやすい条件がそろっており,今回の地震によって滑動した斜面が今後再滑動する可能性がある。そのため、地すべり性地表変動の監視をすることは斜面災害に対する防災に貢献できるという点で重要である。そこで,本研究では地すべりが多発した地域の一つであるMw7.3の最大余震の起こった周辺地域を対象に,地すべり性地表変動の検出を試みた。
地すべり性地表変動を検出する方法として,干渉SARを用いた試みが行われている。そこで,本研究では最大余震の震央を含むSun Kosi川支川流域のSAR干渉画像を2016年9月12日/2017年1月30日と2017年1月30日/2017年9月11日の2時期分作成し,それぞれのSAR干渉画像において地すべり性地表変動の判読を行い,判読された範囲を囲み,その中心に点を与えた。その検出された地点について震央からの距離,標高,斜面の向き,変位量,変位面積,地質,河川流域について調べ,分析した。
判読の結果,2016年9月12日/2017年1月30日で29地点,2017年1月30日/2017年9月11日で25地点の地すべり性地表変動が検出された。解析の結果,標高帯1500-2999mに全体の約7割の地点が属していること,2016年9月12日/2017年1月30日より2017年1月30日/2017年9月11日の方が1地点当たりの平均の変位面積が大きいことがわかった。これは,標高帯1500-2999mにおいて比較的広く分布している地質である低ヒマラヤメタ堆積岩類が多くの検出地点を与えること,2017年1月30日/2017年9月11日では雨季による降水の影響が変動に関与したことで変位面積が増加したことが考えられる。
地すべり性地表変動を検出する方法として,干渉SARを用いた試みが行われている。そこで,本研究では最大余震の震央を含むSun Kosi川支川流域のSAR干渉画像を2016年9月12日/2017年1月30日と2017年1月30日/2017年9月11日の2時期分作成し,それぞれのSAR干渉画像において地すべり性地表変動の判読を行い,判読された範囲を囲み,その中心に点を与えた。その検出された地点について震央からの距離,標高,斜面の向き,変位量,変位面積,地質,河川流域について調べ,分析した。
判読の結果,2016年9月12日/2017年1月30日で29地点,2017年1月30日/2017年9月11日で25地点の地すべり性地表変動が検出された。解析の結果,標高帯1500-2999mに全体の約7割の地点が属していること,2016年9月12日/2017年1月30日より2017年1月30日/2017年9月11日の方が1地点当たりの平均の変位面積が大きいことがわかった。これは,標高帯1500-2999mにおいて比較的広く分布している地質である低ヒマラヤメタ堆積岩類が多くの検出地点を与えること,2017年1月30日/2017年9月11日では雨季による降水の影響が変動に関与したことで変位面積が増加したことが考えられる。