日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-GM 地形学

[H-GM04] 地形

2019年5月29日(水) 10:45 〜 12:15 101 (1F)

コンビーナ:八反地 剛(筑波大学生命環境系)、瀬戸 真之(福島大学うつくしま福島未来支援センター)、座長:瀬戸 真之島津 弘

11:30 〜 11:45

[HGM04-09] 高解像度3次元地形を用いたリーフ地形上での波浪変形・伝搬過程の数値的解明

*南舘 健太1後藤 和久2渡部 真史3,4Volker Roeber5,6渡久地 健7三納 正美8中島 洋典9菅 浩伸10 (1.東北大学大学院理学研究科、2.東北大学災害科学国際研究所、3.東北大学大学院工学研究科、4.中央大学大学院理工学研究科、5.ハワイ大学、6.ポー・エ・デ・ペイ・ド・ラドゥール大学、7.琉球大学、8.日本ミクニヤ株式会社、9.有明工業高等専門学校、10.九州大学大学院地球社会統合科学府)

キーワード:波浪、高波、サンゴ礁、マルチビーム測深、UAV、数値計算

造礁サンゴによって形成されるリーフ上では,波浪の変形が起こることが知られている.従来,リーフは主に波浪を減衰させる効果を持つと考えられてきたが,台風による高波の波高をさらに増幅することも指摘されている.数値計算を用いた海岸工学的な研究においては,断面地形を用いた一次元断面計算,あるいは解像度の低い平面地形による計算が一般的に行なわれてきた.しかしながら,これらの計算ではリーフの微地形を表現できないため,リーフが波浪に与える影響を十分に評価することが難しい.そこで本研究では,ワイドバンドマルチビーム測深とUAVを用いた空中写真測量により,沖縄県久高島の1 mグリッド高解像度3次元地形を作成した(約3 × 5 km).そして,得られた地形データに基づき,拡張型ブジネスクモデル(BOSZ)を用いて平面二次元波浪計算(5 mグリッド)を行うことで,微地形も考慮したリーフ地形上での波浪の変形メカニズムを解明した.本研究の結果から,リーフ上では浅海域で水深に応じて波浪の発達,減衰が起こると同時に,ミクロな視点では波浪伝搬過程はspursやgrooves等が作る微地形にも支配されていることが明らかになった.