[MIS18-P01] 南北1次元EBMを用いた地球型系外惑星の定常気候状態に関するパラメタ実験
キーワード:全球凍結、エネルギーバランスモデル、生存可能性
近年の観測により地球に似た質量を持つ多くの系外惑星が発見されている。このような地球型の系外惑星がどのような定常気候状態を持ち得るのか,という問題は,その生存可能性を検討する上で大変重要である。本研究では,南北1次元のエネルギーバランスモデル(EBM)を作成し,惑星の公転軌道半径,自転角速度,自転軸傾斜角,をパラメタとして多数の数値実験を行い,惑星が取り得る定常気候状態について調べた。
惑星の南北熱輸送効率はその自転角速度の2乗に反比例するとし,自転軸傾斜角23.5度で熱輸送効率(=自転角速度)と公転軌道半径を変化させ,惑星の定常気候状態を求めた。その結果,熱輸送効率が大きな(自転角速度が小さい)範囲では,その減少に伴い全球凍結に至る公転軌道半径が減少した。一方で,熱輸送効率が小さい(自転角速度が大きい)範囲では,その減少に伴い全球凍結に至る公転軌道半径は逆に増加した。熱輸送効率が大きな範囲では,赤道から極域へと効率よく熱が輸送されるため,赤道と極の温度差が小さくなる。この場合,極域での温度が上昇するため,より小さな恒星放射でも氷のない気候状態を維持できる。したがって,この範囲では熱輸送効率の減少に伴い全球凍結に至る公転軌道半径は減少する。一方で,熱輸送効率が小さい範囲では,赤道から極域へと熱が輸送されにくいため,低緯度を除いて温度が上昇せず凍結する。低緯度に溜め込まれる熱量は熱輸送効率が減少するほど増加する。つまり,熱輸送効率が小さいほど赤道でより高温になる。したがって,熱輸送効率が小さい範囲ではその減少に伴い全球凍結に至る公転軌道半径は増加する。
惑星の南北熱輸送効率はその自転角速度の2乗に反比例するとし,自転軸傾斜角23.5度で熱輸送効率(=自転角速度)と公転軌道半径を変化させ,惑星の定常気候状態を求めた。その結果,熱輸送効率が大きな(自転角速度が小さい)範囲では,その減少に伴い全球凍結に至る公転軌道半径が減少した。一方で,熱輸送効率が小さい(自転角速度が大きい)範囲では,その減少に伴い全球凍結に至る公転軌道半径は逆に増加した。熱輸送効率が大きな範囲では,赤道から極域へと効率よく熱が輸送されるため,赤道と極の温度差が小さくなる。この場合,極域での温度が上昇するため,より小さな恒星放射でも氷のない気候状態を維持できる。したがって,この範囲では熱輸送効率の減少に伴い全球凍結に至る公転軌道半径は減少する。一方で,熱輸送効率が小さい範囲では,赤道から極域へと熱が輸送されにくいため,低緯度を除いて温度が上昇せず凍結する。低緯度に溜め込まれる熱量は熱輸送効率が減少するほど増加する。つまり,熱輸送効率が小さいほど赤道でより高温になる。したがって,熱輸送効率が小さい範囲ではその減少に伴い全球凍結に至る公転軌道半径は増加する。