日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS24] 海底~海面を貫通する海域観測データの統合解析

2019年5月26日(日) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:有吉 慶介(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、木戸 元之(東北大学 災害科学国際研究所)、稲津 大祐(東京海洋大学)、高橋 成実(防災科学技術研究所)

[MIS24-P05] セイルドローンによる日本南岸黒潮大蛇行流路の横断観測

★招待講演

*永野 憲1安藤 健太郎1 (1.海洋研究開発機構)

キーワード:黒潮、大蛇行流路、セイルドローン

日本南岸の黒潮は,2017年9月以降,大蛇行流路を取っている.過去のほとんどの大蛇行流路とは異なり,今回の大蛇行流路は流路が不安定である点で特異である (Nagano et al., 2018).この特異性は,黒潮の流速構造に起因すると予想される.この大蛇行流路の力学機構を理解するためには,ポテンシャル渦度に基づく解析が必要であり,空間的に高い解像度の流速ベクトル場の観測が必須である.セイルドローンは,長さ7m,高さ5mの自律型無人艇であり,数ヵ月の洋上観測を衛星通信による制御で行う観測プラットフォームである.取得したデータは,衛星通信を通して我々のもとに転送される.HYCOMリアルタイムナウキャストデータを用いて黒潮の位置をモニターすることで,不安定タイプ大蛇行流路のような変動性に富む海流の観測を行うこともできる.海面から深度約100mまでの流速ベクトルをセイルドローンに取り付けた300kHz音響式ドップラー流速プロファイラー(ADCP)で1分毎に取得した.さらに,水温と塩分,および気象要素(風向風速,湿度,気温等)もセイルドローンに取り付けたセンサーで計測した.ナウキャスト表層流速マップをもとに,黒潮の大まかな場所を特定し,5回の横断観測ADCP流速データが得られた.このデータを用いて,大蛇行流路の力学機構を議論する.