13:45 〜 15:15
[O03-P54] 塩害土壌を改良する
キーワード:塩害、土壌、カルシウム
大地震などによって海水がかかり塩類集積が進んだ土壌は、作物が育ちにくくなる塩害土壌となる。しかしこの塩害土壌に薬品のカルシウム化合物を添加することで、土壌を改良できることを昨年度の研究によって明らかにした。 そこで本研究では、薬品ではなく人体に害のない天然由来のカルシウムでも、同様に塩害土壌を改良することができるのか、明らかにすることを目的として研究を進めた。廃棄物として問題になっている貝殻の主成分が炭酸カルシウムであることに注目し、もしこれらの天然カルシウムを塩害土壌の改良に役立てることができれば環境問題の解決にも繋がるのではないかと期待し、本研究を行った。
塩害とその改良方法の原理は次の通りである。土壌粒子は負の電化を帯びている(図1a)。その土壌に、津波などによって海水が侵入すると、正の電荷を帯びたナトリウムイオンは土壌粒子にひきつけられる(図1b)。その土壌を塩害土壌と呼ぶ。しかしその塩害土壌にカルシウム化合物をまくと、電離したカルシウムイオンが土壌中に発生する(図1c)。そのカルシウムイオンと、土壌粒子に付着していたナトリウムイオンが置換し、土壌粒子から離れたナトリウムイオンが流れることで土壌が改良される(図1d)。
今回はカルシウム化合物と同様に天然カルシウムでも塩害土壌を改良できるかを調べ、改良できた場合、天然カルシウムの種類による、土壌改良の効率の違いを明らかにした。
方法は昨年と同様、塩化ナトリウム水溶液を含ませた土壌に、くだいた牡蠣殻、卵殻、アサリ殻、薬品の炭酸カルシウムをまいてカイワレダイコンを育て、その発芽率と落ちてきた水に含まれるナトリウムイオン量の変化を土壌改良の指標として実験を行った。これらの指標にどのような変化が起きるのかを明らかにした。
結果として、発芽率を見ると土に対して0.1%、流出したナトリウムイオン量を見ると土に対して0.05%の割合で天然カルシウムを添加したときに最も土壌が改良されていることがわかった。また添加量を上げていくと次第に改良の度合いが下がっていった。
これらのことから天然カルシウムでも塩害土壌を改良できたといえる。天然カルシウムの改良の度合いは薬品のカルシウム化合物より低いわけではないということもわかった。また天然カルシウムを土に対して0.05%から0.1%ほどの低い割合でまくと塩害土壌に最も効果があると考えられる。
塩害とその改良方法の原理は次の通りである。土壌粒子は負の電化を帯びている(図1a)。その土壌に、津波などによって海水が侵入すると、正の電荷を帯びたナトリウムイオンは土壌粒子にひきつけられる(図1b)。その土壌を塩害土壌と呼ぶ。しかしその塩害土壌にカルシウム化合物をまくと、電離したカルシウムイオンが土壌中に発生する(図1c)。そのカルシウムイオンと、土壌粒子に付着していたナトリウムイオンが置換し、土壌粒子から離れたナトリウムイオンが流れることで土壌が改良される(図1d)。
今回はカルシウム化合物と同様に天然カルシウムでも塩害土壌を改良できるかを調べ、改良できた場合、天然カルシウムの種類による、土壌改良の効率の違いを明らかにした。
方法は昨年と同様、塩化ナトリウム水溶液を含ませた土壌に、くだいた牡蠣殻、卵殻、アサリ殻、薬品の炭酸カルシウムをまいてカイワレダイコンを育て、その発芽率と落ちてきた水に含まれるナトリウムイオン量の変化を土壌改良の指標として実験を行った。これらの指標にどのような変化が起きるのかを明らかにした。
結果として、発芽率を見ると土に対して0.1%、流出したナトリウムイオン量を見ると土に対して0.05%の割合で天然カルシウムを添加したときに最も土壌が改良されていることがわかった。また添加量を上げていくと次第に改良の度合いが下がっていった。
これらのことから天然カルシウムでも塩害土壌を改良できたといえる。天然カルシウムの改良の度合いは薬品のカルシウム化合物より低いわけではないということもわかった。また天然カルシウムを土に対して0.05%から0.1%ほどの低い割合でまくと塩害土壌に最も効果があると考えられる。