日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

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[O-03] 高校生によるポスター発表

2019年5月26日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、道林 克禎(名古屋大学大学院環境学研究科地球環境科学専攻地質・地球生物学講座岩石鉱物学研究室)、久利 美和(東北大学災害科学国際研究所)、山田 耕(早稲田大学政治経済学術院)

13:45 〜 15:15

[O03-P77] (51)ネマウサの形状~恒星食・測光観測から~

*廣沢 大河1、岡田 卓1、鈴木 智貴1、柴山 智浩1 (1.愛知県立一宮高校)

キーワード:小惑星、測光観測

1.要旨

我々は、2018年4月1日に小惑星ネマウサ(51 nemausa)によるTYC0830-00933-1(10.1等星)の恒星食の観測に成功した。掩蔽観測者ネットワークJOINの方々から提供を受け、他の地域で得たデータも含め集約し、小惑星の断面図を推定した。後日、ネマウサの測光観測によってデータを収集し、ライトカーブを作成することで、ネマウサの自転周期を求めた。これら2つの結果から、計算を用いて形状を2パターン推定した。さらに、ネマウサの自転を再現した暗室実験を行うことで、ライトカーブを作成し、実際の観測から得たライトカーブと比較した。

2.方法  

(1)観測  
A・恒星食観測

場所:愛知県一宮市ほか6か所 日時:2018年4月1日

機材: CelestronC-8(口径20㎝F10)、WAT-120N 8フレーム蓄積、IOTA-VTI(GPS時計)       
B・測光観測

場所:一宮高校屋上 日時:2018年4月9日、13日、18日、28日

機材:SBIG製ST-7XME、R,V,Bフィルター、CelestronC-8

(2)解析  
A・恒星食観測

方法:Limovieにより現象時刻を解析

→一宮高校での減光開始は午前1時51分00.30秒、減光終了は1時51分20.87秒         

B・測光観測

ソフト:すばる画像処理ソフト「マカリ」、エクセル

方法:1)撮影画像の一次処理(ダーク・フラット処理)  
   2)比較星とチェック星の選定と決定

   3)ライトカーブの作成・変光周期の決定

3.結果

A・恒星食観測 

各地域で得たデータを基に掩蔽計算を行い、ネマウサの断面図を求めた。

B・測光観測

すべてのデータをV等級に換算してライトカーブを作成したところ、図1のようになった。

4.考察

測光観測で得たライトカーブ(図1)における1~3の光の量の比と基準線Aからの角度を求めることで、1~3の方向から見たネマウサの形状を推定した。このとき、2つの球が重なった形状を仮定して、図2のように定義をし、計算した。ライトカーブの後半の半周期分は天候の関係でデータをうまく得ることができなかったので、その部分にあたる形状は球形とした。

5.暗室実験

これらの結果からネマウサの模型を作成し、暗室でネマウサの自転を再現して撮影した。また、画像を測光してライトカーブを作成し、観測結果から作成したライトカーブと一致するかどうかを確かめた。その結果、図3の形状は、正しい形状の解のひとつであると考えた。

6.参考文献

・理科年表2016年版 ・星食ハンドブック2016