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[O03-P77] (51)ネマウサの形状~恒星食・測光観測から~
キーワード:小惑星、測光観測
1.要旨
我々は、2018年4月1日に小惑星ネマウサ(51 nemausa)によるTYC0830-00933-1(10.1等星)の恒星食の観測に成功した。掩蔽観測者ネットワークJOINの方々から提供を受け、他の地域で得たデータも含め集約し、小惑星の断面図を推定した。後日、ネマウサの測光観測によってデータを収集し、ライトカーブを作成することで、ネマウサの自転周期を求めた。これら2つの結果から、計算を用いて形状を2パターン推定した。さらに、ネマウサの自転を再現した暗室実験を行うことで、ライトカーブを作成し、実際の観測から得たライトカーブと比較した。
2.方法
(1)観測
A・恒星食観測
場所:愛知県一宮市ほか6か所 日時:2018年4月1日
機材: CelestronC-8(口径20㎝F10)、WAT-120N 8フレーム蓄積、IOTA-VTI(GPS時計)
B・測光観測
場所:一宮高校屋上 日時:2018年4月9日、13日、18日、28日
機材:SBIG製ST-7XME、R,V,Bフィルター、CelestronC-8
(2)解析
A・恒星食観測
方法:Limovieにより現象時刻を解析
→一宮高校での減光開始は午前1時51分00.30秒、減光終了は1時51分20.87秒
B・測光観測
ソフト:すばる画像処理ソフト「マカリ」、エクセル
方法:1)撮影画像の一次処理(ダーク・フラット処理)
2)比較星とチェック星の選定と決定
3)ライトカーブの作成・変光周期の決定
3.結果
A・恒星食観測
各地域で得たデータを基に掩蔽計算を行い、ネマウサの断面図を求めた。
B・測光観測
すべてのデータをV等級に換算してライトカーブを作成したところ、図1のようになった。
4.考察
測光観測で得たライトカーブ(図1)における1~3の光の量の比と基準線Aからの角度を求めることで、1~3の方向から見たネマウサの形状を推定した。このとき、2つの球が重なった形状を仮定して、図2のように定義をし、計算した。ライトカーブの後半の半周期分は天候の関係でデータをうまく得ることができなかったので、その部分にあたる形状は球形とした。
5.暗室実験
これらの結果からネマウサの模型を作成し、暗室でネマウサの自転を再現して撮影した。また、画像を測光してライトカーブを作成し、観測結果から作成したライトカーブと一致するかどうかを確かめた。その結果、図3の形状は、正しい形状の解のひとつであると考えた。
6.参考文献
・理科年表2016年版 ・星食ハンドブック2016
我々は、2018年4月1日に小惑星ネマウサ(51 nemausa)によるTYC0830-00933-1(10.1等星)の恒星食の観測に成功した。掩蔽観測者ネットワークJOINの方々から提供を受け、他の地域で得たデータも含め集約し、小惑星の断面図を推定した。後日、ネマウサの測光観測によってデータを収集し、ライトカーブを作成することで、ネマウサの自転周期を求めた。これら2つの結果から、計算を用いて形状を2パターン推定した。さらに、ネマウサの自転を再現した暗室実験を行うことで、ライトカーブを作成し、実際の観測から得たライトカーブと比較した。
2.方法
(1)観測
A・恒星食観測
場所:愛知県一宮市ほか6か所 日時:2018年4月1日
機材: CelestronC-8(口径20㎝F10)、WAT-120N 8フレーム蓄積、IOTA-VTI(GPS時計)
B・測光観測
場所:一宮高校屋上 日時:2018年4月9日、13日、18日、28日
機材:SBIG製ST-7XME、R,V,Bフィルター、CelestronC-8
(2)解析
A・恒星食観測
方法:Limovieにより現象時刻を解析
→一宮高校での減光開始は午前1時51分00.30秒、減光終了は1時51分20.87秒
B・測光観測
ソフト:すばる画像処理ソフト「マカリ」、エクセル
方法:1)撮影画像の一次処理(ダーク・フラット処理)
2)比較星とチェック星の選定と決定
3)ライトカーブの作成・変光周期の決定
3.結果
A・恒星食観測
各地域で得たデータを基に掩蔽計算を行い、ネマウサの断面図を求めた。
B・測光観測
すべてのデータをV等級に換算してライトカーブを作成したところ、図1のようになった。
4.考察
測光観測で得たライトカーブ(図1)における1~3の光の量の比と基準線Aからの角度を求めることで、1~3の方向から見たネマウサの形状を推定した。このとき、2つの球が重なった形状を仮定して、図2のように定義をし、計算した。ライトカーブの後半の半周期分は天候の関係でデータをうまく得ることができなかったので、その部分にあたる形状は球形とした。
5.暗室実験
これらの結果からネマウサの模型を作成し、暗室でネマウサの自転を再現して撮影した。また、画像を測光してライトカーブを作成し、観測結果から作成したライトカーブと一致するかどうかを確かめた。その結果、図3の形状は、正しい形状の解のひとつであると考えた。
6.参考文献
・理科年表2016年版 ・星食ハンドブック2016