[PEM19-P06] 3Uキューブサットによる太陽中性子・ガンマ線観測
キーワード:太陽、中性子、ガンマ線、検出器、超小型衛星
太陽中性子の観測は太陽表面での粒子加速機構を理解する上で重要であるが、これまでの高地での地上観測では10m2の大きな面積の検出器にもかかわらず、地球大気での減衰のため、1980年の発見(Chuppら 1982)以来約10例の検出にとどまっている。一方で宇宙空間では100cm2という小さな面積でも国際宇宙ステーション上の実験SEDA-APが2009年以来約30例の太陽中性子イベントを検出することに成功した(Muraki et al. 2014)。残念なことにSEDA-APの運用は昨年3月で終了している状況である。太陽中性子専用の検出器が今宇宙空間にない状況を打開するため、我々は3U(サイズ 30x10x10cm)の太陽中性子・ガンマ線検出器を開発してきた。2016年2月には50kg級のChubuSat-2衛星に太陽中性子観測装置を搭載して打ち上げ、さらに2021年を目指して小型の3Uキューブサットへと応用しているところである。検出器は、多層のプラスチックシンチレータとGAGG(Ce)無機シンチレータアレイからなり、両方のシンチレータは光センサであるシリコンフォトマルで読み出される。600以上のセンサからの信号は集積回路(ASIC)で読み出される。本講演では、科学目的、検出器の詳細と要素試作モデル(BBM)の現状について述べる。