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[PPS06-02] 火星衛星探査計画MMX:目指す科学とその推進
キーワード:MMX、サンプルリターン、フォボス、ダイモス、火星、初期太陽系
はやぶさ2に続くわが国のサンプルリターンミッションである火星衛星探査計画MMXは、2024年打ち上げ、2029年地球帰還を目標に、急ピッチで開発移行に向けた準備が進められつつある。MMXは近接観測とサンプルリターンにより、火星衛星の起源を解明する。そして両衛星が、火星史の初期に形成し、それ以後、火星近傍に寄り添ってきた天体であることを活かして、衛星の調査と火星大気の並行観測から、惑星科学の大目標である、水と大気を保有するハビタブル惑星の形成と成り立ちに迫る。特に、火星表層の地質記録のみからでは得難い、かつてハビタブル環境を保有したとされる火星の形成と初期進化、初期太陽系における外惑星領域から内惑星領域への揮発性物質輸送過程に光を当てる。MMXには望遠カメラ、多色カメラ、赤外分光イメージャ、ガンマ線・中性子分光計、レーザー測距計、ダストモニタ、イオン質量分析計、サンプラが搭載される。また衛星表層の物理状態や物質組成をその場調査する、小型ローバの搭載も検討が進んでいる。MMXの個々の科学目標の達成には、機器を跨いだデータ解析、試料分析、理論検討の学際的な相互作用が重要である。そこで各機器開発チームとデータサイエンス、分析、理論研究者を跨ぐサブサイエンスチームを編成し、MMXの初期サイエンス成果の創出と、それに向けた、観測・データ解析・試料分析の準備、理論研究、既存の遠隔観測データの解析を進める体制を構築しつつある。