14:30 〜 14:45
[SCG61-04] 鳥取県西部から島根県西部にかけての応力場–稠密地震観測による-
キーワード:応力、下部地殻、地震メカニズム解、内陸地震、地震観測
山陰地方の地震帯、鳥取県西部から島根県西部地域にかけての応力場を推定した。Kawanishi et al. (2009)は、中国地方全体においてσ1の方位はほぼ東西であるのに対して、地震帯直下では西北西-東南東に回転していることを見出し、それを、直下の下部地殻内のゆっくりすべりで説明した。今回、2009年からこの地域で行われている満点地震観測データ(50点)、2015年から鳥取県西部地域で行われている満点地震観測データ(81点)、2000年鳥取県西部合同地震観測データと定常観測点のデータを総合して、この地域にわたる広域の応力場を推定した。
得られた結果は以下のように要約される。鳥取県西部地震の余震域から三瓶山付近へかけての領域で、σ1の方位の回転が見られた。その領域の南側ではσ1はN90°E~N110°E程度なのに対して、領域内ではN100°E~N140°E程度であり、20~30°の回転となっている。鳥取県西部地震の余震域の西側および三瓶山付近で回転が大きく、それらの間は小さい。この領域の北側の宍道地溝帯周辺では、データは少ないが、σ1がN120°E~N140°EとNW-SEを向いており、この地域全体の中でも回転が最も大きい。ことのうに、この地域では、山陰の地震帯の中軸部においてσ1の方位の回転が見られ、その中でも鳥取県西部地震の余震域の西側および三瓶山付近で局所的に回転が大きい。加えて、地震帯の北側の宍道地溝帯周辺で、σ1が大きく回転してNW-SEを向いている。
地震帯付近の直下の下部地殻では、深さ25kmにおいて、幅50km程度の低速度異常が推定されている(津田・他,2017)。上部地殻においては、宍道地溝帯に沿って大きな低速度異常が見られる。この地域における応力場は、地震帯直下のゆっくりすべりに加えて、宍道地溝帯の直交方向への短縮により形成されている可能性がある。Kawanishi et al. (2009)は地震帯をひとつの領域として応力場を推定したが、その中には内部構造があることが明らかになった。
得られた結果は以下のように要約される。鳥取県西部地震の余震域から三瓶山付近へかけての領域で、σ1の方位の回転が見られた。その領域の南側ではσ1はN90°E~N110°E程度なのに対して、領域内ではN100°E~N140°E程度であり、20~30°の回転となっている。鳥取県西部地震の余震域の西側および三瓶山付近で回転が大きく、それらの間は小さい。この領域の北側の宍道地溝帯周辺では、データは少ないが、σ1がN120°E~N140°EとNW-SEを向いており、この地域全体の中でも回転が最も大きい。ことのうに、この地域では、山陰の地震帯の中軸部においてσ1の方位の回転が見られ、その中でも鳥取県西部地震の余震域の西側および三瓶山付近で局所的に回転が大きい。加えて、地震帯の北側の宍道地溝帯周辺で、σ1が大きく回転してNW-SEを向いている。
地震帯付近の直下の下部地殻では、深さ25kmにおいて、幅50km程度の低速度異常が推定されている(津田・他,2017)。上部地殻においては、宍道地溝帯に沿って大きな低速度異常が見られる。この地域における応力場は、地震帯直下のゆっくりすべりに加えて、宍道地溝帯の直交方向への短縮により形成されている可能性がある。Kawanishi et al. (2009)は地震帯をひとつの領域として応力場を推定したが、その中には内部構造があることが明らかになった。