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[SVC35-06] 草津白根山2018年噴火における放出火山岩塊の分布−続報−
キーワード:放出岩塊、草津白根山、水蒸気噴火
2018年1月23日に発生した草津白根山本白根山の水蒸気噴火では,放出岩塊によって1名が死亡し,11名が負傷した.放出岩塊による被害は,本白根火山鏡池北火砕丘の500m北〜北東を通過するロープウェイの山頂駅や搬器に及んでいる.御嶽山2014年噴火や阿蘇山2016年噴火においても,放出岩塊の被害が報告されており,放出岩塊の分布や挙動の解明は防災上重要な課題である.
我々は,2018年5月10-12日および10月23−25日に火口周辺部および登山道,スキーコース周辺において放出された火山岩塊(径64mm以上)の分布調査およびドローンによる空撮調査を実施した.分布調査では,計191カ所で放出岩塊の最大粒径を,計64地点において単位面積あたりの個数を計測した.
放出岩塊は主火口の周囲500m圏内に分布し,北〜北東にかけて集中的に分布する.今回の調査で最も火口から離れた放出岩塊の確認地点は鏡池北の主火口中心から東北東約600m地点(振子沢)である.北側は,主火口から約500m地点,南東側は主火口から約450m地点まで放出岩塊が確認される.放出岩塊の最大長径は,西火口縁に落下した4.8mで,主火口付近の最大径は3.4mであった.主火口,西火口共に最大粒径の分布主軸を北北東に持つ.長径64mm以上の放出岩塊の降下個数密度は,測定できた中で最も多かった主火口の北北東200m地点で1m2あたり68個であった.放出岩塊の降下個数密度の分布主軸は北東にもち,火口近傍では個数密度が急激に増える.一方,火口の北西から北東にかけての400m付近を境に,急激に個数密度が小さくなる. 西から北西の分布限界では,個数密度1m2あたり0.2〜0.01個とすくないものの,長径約20cmを超えるものが点在する.一方,それより小さい粒径の岩塊は存在しない.東側の分布限界では鏡池北火口の東側から急激に個数密度が小さくなり,こぶし大の放出岩塊が散見される.本調査で観察された放出岩塊のうち長径約20cmの岩塊の最大水平飛距離は400〜650m,長径50cmの岩塊は400m,長径100cmの岩塊は350m,長径200cmの岩塊は150mである.このことは,各々のサイズの岩塊の初速が異なることを示唆している.
我々は,2018年5月10-12日および10月23−25日に火口周辺部および登山道,スキーコース周辺において放出された火山岩塊(径64mm以上)の分布調査およびドローンによる空撮調査を実施した.分布調査では,計191カ所で放出岩塊の最大粒径を,計64地点において単位面積あたりの個数を計測した.
放出岩塊は主火口の周囲500m圏内に分布し,北〜北東にかけて集中的に分布する.今回の調査で最も火口から離れた放出岩塊の確認地点は鏡池北の主火口中心から東北東約600m地点(振子沢)である.北側は,主火口から約500m地点,南東側は主火口から約450m地点まで放出岩塊が確認される.放出岩塊の最大長径は,西火口縁に落下した4.8mで,主火口付近の最大径は3.4mであった.主火口,西火口共に最大粒径の分布主軸を北北東に持つ.長径64mm以上の放出岩塊の降下個数密度は,測定できた中で最も多かった主火口の北北東200m地点で1m2あたり68個であった.放出岩塊の降下個数密度の分布主軸は北東にもち,火口近傍では個数密度が急激に増える.一方,火口の北西から北東にかけての400m付近を境に,急激に個数密度が小さくなる. 西から北西の分布限界では,個数密度1m2あたり0.2〜0.01個とすくないものの,長径約20cmを超えるものが点在する.一方,それより小さい粒径の岩塊は存在しない.東側の分布限界では鏡池北火口の東側から急激に個数密度が小さくなり,こぶし大の放出岩塊が散見される.本調査で観察された放出岩塊のうち長径約20cmの岩塊の最大水平飛距離は400〜650m,長径50cmの岩塊は400m,長径100cmの岩塊は350m,長径200cmの岩塊は150mである.このことは,各々のサイズの岩塊の初速が異なることを示唆している.