JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG60] 気候変動への適応とその社会実装

コンビーナ:石川 洋一(海洋研究開発機構)、山野 博哉(国立環境研究所)、大楽 浩司(筑波大学)、渡辺 真吾(国立研究開発法人海洋研究開発機構)

[ACG60-11] 気候変動下での地域の生物多様性保全と持続的利用のための意志決定フレームワーク

*山野 博哉1小熊 宏之1石濱 史子1久保 雄広1竹中 明夫蔵本 洋介2 (1.国立環境研究所、2.環境省)

キーワード:生物多様性、気候変動、適応

生物多様性の保全と利用は自然共生社会構築に不可欠な要素である。近年の気候変動は生物多様性に影響を与え、適応策が必要とされている。本発表では、環境省と国立環境研究所が作成した「国立公園等の保護区における気候変動への適応策検討の手引き」を紹介し、地域において生物多様性の気候変動の影響への適応策を策定するフレームワークを提示し、各ステップで具体的に必要となるデータや考慮すべきことを示す。具体的には、対象となる保護区の基盤情報を収集し、既に気候変動の影響による変化が顕在化している、または懸念されている評価指標を現地のヒアリングなどを通じて決定し、その評価対象について将来の気候シナリオによる予測を行い、予測結果に基づいて適応オプションを検討し、関係者との意見交換を行って保全や利用に関する計画を策定するという手順で進める。大雪山国立公園において高山植生を対象に、慶良間諸島国立公園においてサンゴを対象にして以上の手順を実際に行い、このフレームワークの有効性を確認した。