[AOS18-P01] 九州の領域河川海洋一体型モデルの開発
キーワード:河川海洋結合モデル、水循環
九州地方に焦点を当てた河川海洋一体型モデルを開発した。近年、複数の流域をまたぐように集中豪雨が頻繁に起こり、洪水が発生するととともに沿岸域の環境場にも大きな影響を及ぼしている。沿岸域には複数の河川から淡水が流入し、それぞれに流量と時間変化も異なる。そこで領域規模で複数の河川と海洋の流れを同時に再現できる河川海洋一体型モデルの開発を進め、まずは九州に焦点をあてて2015年の夏季に起きた集中豪雨に伴う3つの河川流出イベントの再現性を検証した。6つの一級河川で観測値と比べたところ、増減の時間スケールがよく再現されていた。一方、流量がピークとなる時刻が遅れる傾向が見つかった。流量最大値も一部の河川・イベントで観測値とのずれが見つかったが、そのバイアスの傾向は河川ごとによって異なっており、より現実的な陸面過程モデルを導入する必要性があることが示唆された。