JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS29] 「国連海洋科学の10年」に向けた海洋研究計画の提案と議論

コンビーナ:安藤 健太郎(海洋研究開発機構)、近藤 能子(長崎大学)、岡 英太郎(東京大学大気海洋研究所)、Sanae Chiba(JAMSTEC)

[AOS29-05] 黒潮と周辺海域の国際観測プロジェクトによるWESTPACへの貢献—CSK-2プロジェクトに向けて—

*永野 憲1野中 正見1齊藤 宏明2児玉 武稔3安藤 健太郎1 (1.海洋研究開発機構、2.東京大学大気海洋研究所、3.水産研究・教育機構)

キーワード:黒潮、観測システム、国際プロジェクト、CSK-2、WESTPAC

黒潮とその周辺海域の海洋に関する研究は,国際的な観測プロジェクトの下で大きく進展してきた.特に,ユネスコ政府間海洋委員会(UNESCO/IOC)で計画され,1965年から1979年(観測は1977年に終了)に日本が中心となってアジア各国が参加して実施された国際観測プロジェクトCooperative Study of the Kuroshio and Adjacent Regions(CSK)の下で行われた観測をもとに,現在我々が知っている黒潮とその周辺海域の海流についての平均的な描像の大部分が形成された.また,CSKがもとになって,西太平洋に関する政府間地域小委員会(WESTPAC)が設立された.その後も国内および国際プロジェクトを通じて,黒潮に関する知見が蓄積されてきた.近年の地球温暖化,生態系の変化,および海ごみ等の問題が社会的に注目されるなか,他海域に比べ温暖化が急速で海ごみの多い黒潮域の海況の変化をモニタリングするための観測システムの構築が急務である.黒潮観測システムの構築は,「持続可能な開発目標」の達成と「国連海洋科学の10年」の取り組みにも貢献することができる.そのための最適な観測のデザインの模索を行うことを目的にCSKの後継プロジェクト(CSK-2)が計画されている.講演では,CSK-2プロジェクトに向けての現在までの取組みと進捗状況についての紹介を行い,今後の課題について議論したい.