JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-02] 災害を乗り越えるための「総合的防災教育」

コンビーナ:中井 仁(小淵沢総合研究施設)、小森 次郎(帝京平成大学)、林 信太郎(秋田大学大学院教育学研究科)

[G02-03] 学校安全に関する教員研修及び教員養成の充実に向けて

★招待講演

*森本 晋也1 (1.文部科学省)

キーワード:学校安全、防災教育、教員研修、教員養成

東日本大震災においては、津波による甚大な被害が発生し、加えて原子力災害も重なり、複合的な大災害となった。東日本大震災以降も、火山噴火や熊本地震、大阪北部地震、北海道胆振東部地震等各地で地震が発生している。また、平成30年7月豪雨や平成31年台風19号をはじめとする台風や大雨による気象災害は、毎年のように発生し、今後首都直下地震や南海トラフ巨大地震の発生も懸念されている状況である。さらに、登下校中の児童生徒が殺傷される事件など、子どもをめぐる事件や事故災害は後を絶たず、防災を含む学校安全の充実が一層求められている。
このような状況において、平成29年3月24日に閣議決定した「第2次学校安全の推進に関する計画」において、学校安全を推進するための方策として、「学校安全に関する教職員の研修及教員養成の充実」が述べられている。現職教員においては、全ての教職員が各キャリアステージにおいて必要に応じた学校安全に関する資質・能力を身に付けることが求められている。また、大学における教員養成においては、平成31年度入学生から教職課程の内容に、「学校安全への対応」が新たに加えられた。「学校安全への対応」は、教職課程コアカリキュラムの「教育に関する社会的、制度的又は経営的事項」に含まれ、一般目標として、「学校管理下で起きる事件、事故及び災害の実情を踏まえて、学校保健安全法に基づく、危機管理を含む学校安全の目的と具体的な取組を理解する」と示されている。各大学においては、平成30年度に教職課程の審査・認定を受けて、平成31年度入学生から新しい教職課程の履修が始まっている。例えば、岩手大学のように「学校安全学と防災教育」を新たに開講し、教職の必修科目としている大学もある。
本発表では、学校安全に関する現職教員研修の現状、大学での教職課程の学校安全の必修化の経緯と事例等について報告するものである。