[HDS08-03] J-THIS-多様な津波ハザード情報を利活用できるシステムの開発-
キーワード:津波ハザードステーション(J-THIS)、津波、確率論的津波ハザード評価(PTHA)、南海トラフ
防災科学技術研究所(防災科研)は多様な地震津波に対する事前の備え・対策に資することを目的とし、2012年4月から全国を対象とした確率論的津波ハザード評価を実施している。その一環として、防災科研は専門家による「津波ハザード情報の利活用に関する委員会」(2013年-2016年)および「津波ハザード・リスク情報の高度利用に関する委員会」(2017年-)を立ち上げ、確率論的津波ハザード評価によって得られる津波ハザード情報の利活用に向けた議論をおこなっている。「津波ハザード情報の利活用に関する委員会」が取りまとめた提言において、津波リスク評価等を実施する専門家に対する多様な津波ハザード情報を利活用できる公開システムの必要性が指摘されている。この提言を受けて、防災科研は多様な津波ハザード情報を利活用できるシステム(J-THIS:津波ハザードステーション)の開発を開始した。「津波ハザード・リスク情報の高度利用に関する委員会」では、利用者それぞれの目的に応じて効果的に利活用できるシステムであることを目指し、システムの高度利用に向けた具体的な仕様や要望等の検討を続けている。
現在開発中のJ-THISは、以下5つの機能を有している。(1) 今後30年以内に3m、5m、10m以上の津波が海岸に来襲する超過確率(条件付超過確率)を50mメッシュごとに地理院地図に重ねて表示できる。(2) 海岸に来襲する津波高さ(最大水位上昇量)と30年超過確率の関係(ハザードカーブ)を50mメッシュごとに表示できる。(3) 津波伝播遡上計算に用いた波源断層モデルの断層パラメータを表示するとともに、すべり量分布を地理院地図に重ねて表示できる。(4) 波源断層モデルごとに計算された海岸における津波の最大水位上昇量を50mメッシュごとに地理院地図に重ねて表示できる。(5) 津波伝播遡上計算に用いた海底地形図を1350m、450m、150m、50mメッシュそれぞれの解像度で表示できる。
全国を対象とした確率論的津波ハザード評価に基づく津波ハザード情報の提供の第一弾として、地震調査委員会(2020)が公表した「南海トラフ沿いで発生する大地震の確率論的津波評価」と等価な津波ハザード情報をJ-THISで公開する。地震調査委員会(2020)は、最大クラスの地震を除く、南海トラフ沿いで発生するプレート間地震(Mw7.6-9.0)について、今後30年以内に3m、5m、10m以上の津波が来襲する条件付超過確率を市区町村ごとに公表している。J-THISでは、上述した5つの機能によって、地震調査委員会(2020)の公表内容および、より詳細な津波ハザード情報を提供する。
本研究は防災科研の研究プロジェクト「ハザード・リスク評価に関する研究」の一環として実施した。また、地震調査委員会(2020)と等価な津波ハザード情報を使用した。
現在開発中のJ-THISは、以下5つの機能を有している。(1) 今後30年以内に3m、5m、10m以上の津波が海岸に来襲する超過確率(条件付超過確率)を50mメッシュごとに地理院地図に重ねて表示できる。(2) 海岸に来襲する津波高さ(最大水位上昇量)と30年超過確率の関係(ハザードカーブ)を50mメッシュごとに表示できる。(3) 津波伝播遡上計算に用いた波源断層モデルの断層パラメータを表示するとともに、すべり量分布を地理院地図に重ねて表示できる。(4) 波源断層モデルごとに計算された海岸における津波の最大水位上昇量を50mメッシュごとに地理院地図に重ねて表示できる。(5) 津波伝播遡上計算に用いた海底地形図を1350m、450m、150m、50mメッシュそれぞれの解像度で表示できる。
全国を対象とした確率論的津波ハザード評価に基づく津波ハザード情報の提供の第一弾として、地震調査委員会(2020)が公表した「南海トラフ沿いで発生する大地震の確率論的津波評価」と等価な津波ハザード情報をJ-THISで公開する。地震調査委員会(2020)は、最大クラスの地震を除く、南海トラフ沿いで発生するプレート間地震(Mw7.6-9.0)について、今後30年以内に3m、5m、10m以上の津波が来襲する条件付超過確率を市区町村ごとに公表している。J-THISでは、上述した5つの機能によって、地震調査委員会(2020)の公表内容および、より詳細な津波ハザード情報を提供する。
本研究は防災科研の研究プロジェクト「ハザード・リスク評価に関する研究」の一環として実施した。また、地震調査委員会(2020)と等価な津波ハザード情報を使用した。