[HTT18-P10] 埋設物検知実験施設の建設と展開としての三次元地中レーダ探査事例
キーワード:地中レーダ、埋設物、実験場、3Dモデル
都市の地下浅部においては,上下水道,電気,ガス,通信などの様々なライフラインが複雑に張り巡らされているが,地下空間情報が不正確なためにしばしば掘削工事中の埋設物破損事故が発生している.地下埋事故を防ぐためには,より正確な位置情報を取得し,地下の三次元モデルを構築することが不可欠となる.地中の埋設物をモデル化するためには,物理探査手法が有効である.当社では地下埋設物をより正確にモデル化するために実験施設を建設した.本発表では,建設した施設の概要と三次元地中レーダの適用事例を報告する.
実験施設は全長408m,幅5mの時速60kmで走行可能な道路になっており,大きく3つのサイトに分かれる.サイト1には都市地盤で想定される様々な埋設物を設置した (Fig. 1 a).マンホール・下水管,ガス管,通信管,空洞模型,鋼矢板,コンクリート塊,木杭,不発弾模型,レンガなどである.サイト2には空洞模型とVP管を設置した (Fig. 1 b).空洞模型は,4種類の大きさの発泡スチロールで28個作成し,舗装直下から最大深度3.5mまでに埋設した.VP管は内径が異なる4本を敷設し,管内の水の注入と排水が可能な構造にした.サイト3にはヒューム管を設置した (Fig. 1 c).は2種類の内径で,様々な配置パターンで埋設した.最大深度は下端が2.7mである.
探査結果と実際の埋設状況を三次元的に比較できるようにするため,覆土前に地上型レーザスキャナを用いて,埋設物の正確な位置と形状を捉えた点群データを取得した.また施工記録のためにUAVと6mの撮影ロッドを使用して埋設物を空撮し,三次元モデルの作成を行った.更に土質条件の季節変動を考慮するために,地上雨量と観測点6深度で土壌水分・温度・電気伝導度のモニタリングを実施している.
サイト1とサイト3に対して地中レーダの稠密探査を実施した.測線は道路の縦・横断各方向に対して約25cm間隔で実施した.埋設管を測定して得られたデータに特有の双曲線を点反射からの走時曲線だと仮定すると,その走時曲線上のセンブランスを最大にする伝搬速度を求めることができる.そのときのセンブランスの空間分布を3次元で描画した結果,埋設管の空間分布相当を可視化することができた.
国土交通省は設計・建設・保守のプロセス全体で三次元モデルを関係者と共有し,活用することで生産性を向上させるためにBIM/CIMを推進している.その内で,埋設物のモデル化も今まさに検証の只中にある.
我々は,今後この施設を他の研究機関や企業と共有,活用していくことによって,三次元探査技術のオープンイノベーションを加速させ,BIM/CIMに有効活用できる技術として普及させていくことを目指している.
実験施設は全長408m,幅5mの時速60kmで走行可能な道路になっており,大きく3つのサイトに分かれる.サイト1には都市地盤で想定される様々な埋設物を設置した (Fig. 1 a).マンホール・下水管,ガス管,通信管,空洞模型,鋼矢板,コンクリート塊,木杭,不発弾模型,レンガなどである.サイト2には空洞模型とVP管を設置した (Fig. 1 b).空洞模型は,4種類の大きさの発泡スチロールで28個作成し,舗装直下から最大深度3.5mまでに埋設した.VP管は内径が異なる4本を敷設し,管内の水の注入と排水が可能な構造にした.サイト3にはヒューム管を設置した (Fig. 1 c).は2種類の内径で,様々な配置パターンで埋設した.最大深度は下端が2.7mである.
探査結果と実際の埋設状況を三次元的に比較できるようにするため,覆土前に地上型レーザスキャナを用いて,埋設物の正確な位置と形状を捉えた点群データを取得した.また施工記録のためにUAVと6mの撮影ロッドを使用して埋設物を空撮し,三次元モデルの作成を行った.更に土質条件の季節変動を考慮するために,地上雨量と観測点6深度で土壌水分・温度・電気伝導度のモニタリングを実施している.
サイト1とサイト3に対して地中レーダの稠密探査を実施した.測線は道路の縦・横断各方向に対して約25cm間隔で実施した.埋設管を測定して得られたデータに特有の双曲線を点反射からの走時曲線だと仮定すると,その走時曲線上のセンブランスを最大にする伝搬速度を求めることができる.そのときのセンブランスの空間分布を3次元で描画した結果,埋設管の空間分布相当を可視化することができた.
国土交通省は設計・建設・保守のプロセス全体で三次元モデルを関係者と共有し,活用することで生産性を向上させるためにBIM/CIMを推進している.その内で,埋設物のモデル化も今まさに検証の只中にある.
我々は,今後この施設を他の研究機関や企業と共有,活用していくことによって,三次元探査技術のオープンイノベーションを加速させ,BIM/CIMに有効活用できる技術として普及させていくことを目指している.