[MGI39-04] GNSSデータのソフトクラスタリングに基づく伊豆半島周辺の変位場の統計的分類
キーワード:GNSS、ソフトクラスタリング、テクトニクス
国土地理院のGNSS観測と海上保安庁のGNSS-A観測による水平変位場のデータを利用し、フィリピン海プレートの衝突域である伊豆半島周辺領域を統計的に分類する。Savage(2018)などと同様に、地表地形や従来のテクトニックな区分を主観的に参照することなく、変位場データ自体のクラスタリング解析に基づいてGNSS観測点の統計的分類を行う。本研究では、ソフトクラスタリング法の導入により、観測点をいずれかのクラスターへ強引に所属させることなく、所属度の推定を行う。そのため、クラスター間の境界域にある観測点の所属を「曖昧な所属」として、最終的な分類から除外できる。
まず、伊豆半島周辺の44観測点について、統計的指標(Xie and Beni, 1991)に基づいてクラスターの数を4と決定した。観測点ごとの水平変位データのソフトクラスタリング解析の結果、4クラスターの明瞭な空間分布が得られた。この空間分布に基づき、4クラスターを仮に「富士クラスター」「(伊豆)大島クラスター」「南伊豆クラスター」「相模クラスター」とした。クラスター間の境界の位置は、近年の大地震の位置におおむね対応していた。さらに、次の特徴が見られた:(1) 伊豆半島北部は本州と一体化している。(2) 複数のクラスター境界が伊豆東部火山群付近で合流する。(3) プレート沈み込み境界の陸側延長の断層帯は、クラスター境界に対応しない。
まず、伊豆半島周辺の44観測点について、統計的指標(Xie and Beni, 1991)に基づいてクラスターの数を4と決定した。観測点ごとの水平変位データのソフトクラスタリング解析の結果、4クラスターの明瞭な空間分布が得られた。この空間分布に基づき、4クラスターを仮に「富士クラスター」「(伊豆)大島クラスター」「南伊豆クラスター」「相模クラスター」とした。クラスター間の境界の位置は、近年の大地震の位置におおむね対応していた。さらに、次の特徴が見られた:(1) 伊豆半島北部は本州と一体化している。(2) 複数のクラスター境界が伊豆東部火山群付近で合流する。(3) プレート沈み込み境界の陸側延長の断層帯は、クラスター境界に対応しない。