JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI41] 情報地球惑星科学と大量データ処理

コンビーナ:村田 健史(情報通信研究機構)、本田 理恵(高知大学自然科学系理工学部門)、野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、堀之内 武(北海道大学地球環境科学研究院)

[MGI41-11] 金属鉱床域での高精度鉱物マッピングを目指した航空機ハイパースペクトル画像のシミュレーション:オーストラリア・クイーンズランド州北部での適用例

*久保 勇也1 Hoang Nguyen2小池 克明1野田 周帆3淺野 友紀瑛3川上 裕3増田 一夫3 (1.京都大学大学院工学研究科 、2.総合地球環境学研究所、3.石油天然ガス・金属鉱物資源機構)

キーワード:リモートセンシング、ハイマップ、ハイパースペクトル画像、反射率スペクトル、オーストラリア

地球観測衛星を利用したリモートセンシングは,金属鉱床や地熱資源の存在に関連する熱水変質鉱物を広域から抽出できるので,資源の一次探査法として広く適用されてきた.マルチスペクトル画像では,可視域から短波長赤外域にかけての観測波長帯(バンド)数が少なく,地表物質の識別精度が低いのに加えて,地表の詳細がわかるほど空間分解能が高くはないという欠点がある.一方,ハイパー スペクトル画像によれば鉱物の識別精度は高いが,観測は軌道直下の狭い範囲に限られ,広域調査には適していない.そのためハイパースペクトルセンサーで観測されていない領域でもハイパースペクトルデータを生成する技術が必要とされている.この課題を克服する研究として,マルチスペクトル画像から擬似的なハイパースペクトル(Hyperion)画像に変換するアルゴリズム(PHITA)が開発された(Hoang and Koike, 2017; 2018).また,PHITAにより生成された擬似的な画像とオリジナル画像の類似性や鉱物特定の精度が高いことなどが確認された.先行研究で用いられたハイパースペクトルセンサーであるHyperionの空間分解能が30mであるのに対し,本研究で用いる航空機搭載型のハイパースペクトルセンサーであるHyMapの空間分解能は4.5mと空間分解能が高い.また航空機搭載型のハイパースペクトルセンサーは人工衛星に搭載したハイパースペクトルセンサーに比べて,信号対雑音比が高いことが知られている.そこで本研究では,マルチスペクトルデータの波長と空間分解能,両方のダウンスケーリングを目的とし,オーストラリアクイーンズランド州北部を対象に選んだ.そこで取得されたHyMap画像データとマルチスペクトル画像を用いて擬似的なHyMap画像に変換し、鉱物特定の正確性、画像の再現性について統計指標を用いて検証した.