[MIS11-P07] 付加体内部の希ガスの分布と起源をより正確に把握するためのカッティングスを用いた希ガスの分析法
キーワード:カッティングス、希ガス、分析法、付加体
本研究では,カッティングスを真空中で粉砕して発生したガスを測定することにより,大気汚染の影響を受けていない希ガスのデータセットを取得した。これにより,大気平衡間隙水の寄与率を把握することができ,フィリピン海プレートのスラブから放出されるヘリウム同位体比も正確に求めることが可能となった。また,2003 mbsfよりも浅部に1503 mbsfを中心に水平方向からウェッジマントルからのヘリウムの供給があり,岩相及びガス分布の結果も考慮して,1000~1500 mbsf付近に分布する砂岩層が深部からのガス輸送の経路として働いている可能性が示唆された。泥ガスを用いたガス分析よりも,より正確な現場の情報を得る手法として,カッティングスを用いたガス分析を掘削時の希ガス分布調査の国際標準として提唱する。