JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS28] 歴史学×地球惑星科学

コンビーナ:加納 靖之(東京大学地震研究所)、磯部 洋明(京都市立芸術大学美術学部)、芳村 圭(東京大学生産技術研究所)、岩橋 清美(国文学研究資料館)

[MIS28-P10] 1836-1868年の長崎における降雪日出現率年々変動と20世紀再解析データとの比較

*平野 淳平1三上 岳彦2財城 真寿美3市野 美夏4 (1.帝京大学文学部、2.首都大学東京、3.成蹊大学、4.人文学オープンデータ共同利用センター)

キーワード:古日記天候記録、降雪日出現率、再解析データ

本研究では、1836/37-1867/68年について、20世紀再解析データV.3(Slivinski et al.,2019)と長崎で『諫早日記』に記録された降雪日出現率の変動との比較を行った。長崎における冬季(12-2月)の降雪日出現率の年々変動とアリューシャン低気圧の強さの間には有意な負相関が認められた。また、降雪日出現率の年々変動は、東アジアにおける亜熱帯ジェットや対流圏中層のトラフの強さと関連していることが明らかになった。さらに、降雪日出現率の変動と850hPa面気温との関係について調べた結果、降雪日出現率の年々変動がENSOと関連していることを示唆する結果が得られた。同様の特徴は、現在(1970/71-2014/15年)についても認められた。一方、長崎の降雪出現率の年々変動とシベリア高気圧の年々変動には有意な相関関係は認められなかった。この原因として、20世紀再解析データでは、シベリア域の地上気圧観測データが同化されていないことが考えられる。