JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-TT 計測技術・研究手法

[M-TT52] インフラサウンド及び関連波動が繋ぐ多圏融合地球物理学の新描像

コンビーナ:山本 真行(高知工科大学 システム工学群)、新井 伸夫(名古屋大学減災連携研究センター)、市原 美恵(東京大学地震研究所)、乙津 孝之(一般財団法人 日本気象協会)

[MTT52-10] 津波により励起される大気ラム波のエネルギーに関する理論的考察:インフラサウンドマグニチュードの提唱

★招待講演

*中島 健介1 (1.九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)

キーワード:津波、大気ラム波、インフラサウンド 、微気圧観測

大規模な津波は大気ラム波(地表面に沿って音速で伝わる長周期大気波動)を励起することが知られている(e.g. Arai et al 2011; Mikumo et al 2008). 津波により励起される圧縮性大気擾乱の数値計算の結果(中島、JpGU 2017など)により、このラム波の振幅が、津波の波高に直接比例すること、特に、この振幅が断層運動の rise time に極めて鈍感であることが示された。

本発表では、この性質を用い、津波が励起するラム波のエネルギーと津波の規模の関係を求める。さらに幾つかの単純化を行うことにより、一地点での微気圧観測から推定される津波規模として「インフラサウンド マグニチュード」を定義することが可能であることを議論する。これを、2011年東日本東方沖地震、2004年スマトラ沖地震を含む、いくつかの遠地、近地地震に適用して、その有用性を検証する。