JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM18] 太陽地球系結合過程の研究基盤形成

コンビーナ:山本 衛(京都大学生存圏研究所)、小川 泰信(国立極地研究所)、野澤 悟徳(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、吉川 顕正(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)

[PEM18-P06] GAIAモデルとの結合に向けた赤道プラズマバブルシミュレーションの改良

*古元 泰地1横山 竜宏1品川 裕之2 (1.京都大学生存圏研究所、2.情報通信研究機構)

キーワード:赤道プラズマバブル、シミュレーション、電離圏

宇宙開発が急速に進み,衛星通信,航法の安定した利用が強く求められ,GPS等を利用した高精度・高信頼の測位システムが必要とされている.GPS誤差の要因には,プラズマバブルと呼ばれる赤道域の電離圏で発生する物理現象が挙げられる.プラズマバブルは電離圏下部の密度成層が不安定化して低密度領域が泡のように上昇する現象であり,その泡の内部は非常に不安定で不規則な構造になっている.そのため電波伝搬に大きな影響を与えるが,ブラズマバブルの発生を予報することは現状ほぼ不可能である.  本研究の目的は全球電離圏数値モデルと,局所電離圏数値モデルを結合させ,プラズマバブルの発生を自己無撞着に予測できる数値モデルを開発し,発生の条件を解明することである.全球大気圏電離圏結合モデルGAIAはグリッド間隔が数百km程度であり,プラズマバブルのような局所的構造は再現することができない.一方,局所電離圏モデルはグリッド間隔が1km程度であるのでプラズマバブルの微細な内部構造を表現することができるが,計算範囲が狭い領域に限られたうえ,周期境界条件を与えている.そのため単純な拡張による計算範囲の拡大を狙うことができない.そこで,全球モデルと局所モデルを階層的に結合させることで,それぞれの特徴を残しつつ,プラズマバブルの発生を無矛盾的に再現することができるモデルの開発を目指す.GAIAモデルとの結合に向けた準備として,局所モデルの計算領域を全経度範囲とし,プラズマ密度の日変化を考慮した自然な境界条件の下で自己無撞着な電場の計算を行えるように改良を行った.本発表では,現在までの開発経過と初期結果について報告する.