[PPS09-23] クレーター形成衝突によるEjection massの再定式化
キーワード:クレーター形成衝突、衝突、惑星形成
クレーターを形成するような小天体の衝突は、惑星形成過程で、恒常的に発生し、不可避のイベントである。このようなクレーターを形成する衝突によって削られたターゲット由来の破片の一部が、ターゲットの脱出速度を超えて、ターゲットから重力的に脱出することが起こりえる。このようにして脱出するターゲット由来の物質量は、点限近似仮定(e.g. Holsapple & Housen 2007)を用いて、衝突速度と衝突角度の関数として理論的に導かれており、惑星科学のコミュニティーで広く利用されてきた。
しかしながら、点限近似には適用可能範囲があるはずであるが、その範囲は明確に理解されていない。そして、その適用可能範囲外で、クレーター形成衝突によるターゲット由来の破片量がどうなるかは明らかでない。
本研究では、SPH計算を用いて幅広い衝突パラメーターを計算し、そのターゲット脱出質量を点限近似による理論式と比較した。その結果、衝突速度がターゲットの脱出速度よりも十分に(>10倍以上)大きくないと、点限近似が使えないことが分かった。また、衝突速度が脱出速度程度の場合は、点限近似による理論式は、SPH計算を、数倍から数十倍overestimateすることが分かった(衝突角度によって変わる)。以上を踏まえ、本研究では、点限近似の適用可能範囲外までも使える新たな経験式を導出した(Hyodo&Genda 2020 in prep)。
しかしながら、点限近似には適用可能範囲があるはずであるが、その範囲は明確に理解されていない。そして、その適用可能範囲外で、クレーター形成衝突によるターゲット由来の破片量がどうなるかは明らかでない。
本研究では、SPH計算を用いて幅広い衝突パラメーターを計算し、そのターゲット脱出質量を点限近似による理論式と比較した。その結果、衝突速度がターゲットの脱出速度よりも十分に(>10倍以上)大きくないと、点限近似が使えないことが分かった。また、衝突速度が脱出速度程度の場合は、点限近似による理論式は、SPH計算を、数倍から数十倍overestimateすることが分かった(衝突角度によって変わる)。以上を踏まえ、本研究では、点限近似の適用可能範囲外までも使える新たな経験式を導出した(Hyodo&Genda 2020 in prep)。