JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG66] 海洋底地球科学

コンビーナ:沖野 郷子(東京大学大気海洋研究所)

[SCG66-P11] 沖縄トラフ熱水活動域で見られた液体CO2湧出ポックマーク近傍の間隙水化学組成

上野 峻太1堤 映日1眞壁 明子2川口 慎介2山本 正浩2、*石橋 純一郎1 (1.九州大学大学院理学府、2.海洋研究開発機構)

キーワード:CO2ハイドレート、化学組成鉛直分布、熱水二相分離

沖縄トラフの複数の熱水活動域で液体CO2の湧出現象が知られている。2018年に実施されたKM18-08C潜航調査によって、東伊是名熱水活動域においても、直径10-20mの陥没地形(ポックマーク)から液体CO2の湧出が確認された。表層堆積物をマニュビレータで搔き乱すとCO2の液泡が噴き出すことが観察されることから、海底面直下にCO2が保持されていることが示唆された。2018年11月に実施されたKR18-14潜航調査において、このポックマークの近傍で全長20-30cmの堆積物コアを採取した。堆積物を船上で半割後3㎝間隔でスライスし、各層から抽出した間隙水を陸上の実験室に持ち帰り化学分析に供した。ポックマーク直近で採取された間隙水は、海底下15-30cmの深度において、すべての成分で濃度が海水より高く、同位体比組成においてDと18Oが乏しいという特徴を示した。この特徴は、堆積物内でCO2ハイドレートが形成されH2Oが取り込まれたと考えると説明できる。