[SCG67-P01] 2016年熊本地震後の河川水・湧水の変化
キーワード:水文変化、熊本地震、保水能力、地すべり
2016年4月14日のM6.5の前震と,その28時間後のM7.3の本震を主要な活動とする2016年熊本地震は,熊本県において水文学的変化(河川水や地下水等の変化)も引き起こした。本研究では,2016年熊本地震による強震動域内の8地点において,2001年~2017年の河川日流量データを主に解析した。また,同地域内の11点において,2016年熊本地震後に10回程度湧水の調査も行った。地震直後において河川流量に若干の変化があったが、その変化量以上に大きな河川流量増加が、地震の2か月後に発生した豪雨に続いて,8観測点の中のいくつかで記録された。このような河川流量増加は,地震による地滑りによって引き起こされた集水域の保水能力の低下で説明できる。他方,地震後の湧水量の変化はそれほど明確ではなかった。湧水の水温と水質もほとんど変化しなかったが,地表起源と考えられるNO3-濃度のみが,地震直後にわずかに増加した。これらの結果は,2016年熊本地震後の河川水・湧水の変化は,主に地震による表面現象によって引き起こされたことを示すと考えられる(Koizumi et al., 2019).
参考文献
Koizumi, N., S. Minote, T. Tanaka, A. Mori, T. Ajiki, T. Sato, H. A. Takahashiand N. Matsumoto, Hydrological changes after the 2016 Kumamoto earthquake, Japan, Earth, Planets and Space, 71, https://doi.org/10.1186/s40623-019-1110-y, 2019.
参考文献
Koizumi, N., S. Minote, T. Tanaka, A. Mori, T. Ajiki, T. Sato, H. A. Takahashiand N. Matsumoto, Hydrological changes after the 2016 Kumamoto earthquake, Japan, Earth, Planets and Space, 71, https://doi.org/10.1186/s40623-019-1110-y, 2019.