[SCG70-09] 津波に伴う大気ラム波の定量的検討:微気圧観測による津波の即時的予測の可能性
キーワード:津波、大気ラム波、微気圧観測、インフラサウンド
大規模な津波な大気ラム波(地表面に沿って音速で伝わる長周期の大気波動)を励起することが知られており、その観測は津波波源のインバージョンなどに有用である (e.g. Arai et al 2011; Mikumo et al 2008)。本発表では、(1) 津波に対する圧縮性大気の応答に関する数値実験、(2) その結果の理論的考察、(3) 津波の即時的予測への可能性について議論する。
数値実験の中で、津波は3種類の大気波動(音波、重力波、およびラム波)を励起する。注目すべきこととして、津波の幅広いパラメタ(断層運動の水平スケール、ライズタイム)にわたり、励起されるラム波の振幅が、津波の様相(波高と波形)を極めて良く再現することがわかった。この「ライズタイムに鈍感である」という性質は、これまでに用いられてきた仮定(ライズタイムとラム波振幅は反比例)とは全く異なる。この性質は、津波に対する大気応答過程(hydrostatic adjustment; Bannon 1995)の理論的考察を通して直感的にも理解できる。
この結果は、断層運動速度の遅い、いわゆる「津波地震」によるものを含めて、微気圧観測により津波の定量的な即時的予測が可能であることを強く示唆する。当日は、2011年東日本東方沖地震(Arai et al 2011 の結果をよく再現する)、および、想定南海地震に関する計算例も示す予定である。
数値実験の中で、津波は3種類の大気波動(音波、重力波、およびラム波)を励起する。注目すべきこととして、津波の幅広いパラメタ(断層運動の水平スケール、ライズタイム)にわたり、励起されるラム波の振幅が、津波の様相(波高と波形)を極めて良く再現することがわかった。この「ライズタイムに鈍感である」という性質は、これまでに用いられてきた仮定(ライズタイムとラム波振幅は反比例)とは全く異なる。この性質は、津波に対する大気応答過程(hydrostatic adjustment; Bannon 1995)の理論的考察を通して直感的にも理解できる。
この結果は、断層運動速度の遅い、いわゆる「津波地震」によるものを含めて、微気圧観測により津波の定量的な即時的予測が可能であることを強く示唆する。当日は、2011年東日本東方沖地震(Arai et al 2011 の結果をよく再現する)、および、想定南海地震に関する計算例も示す予定である。