JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GL 地質学

[S-GL34] 地球年代学・同位体地球科学

コンビーナ:田上 高広(京都大学大学院理学研究科)、佐野 有司(東京大学大気海洋研究所海洋地球システム研究系)

[SGL34-04] 貫入岩近傍における過剰アルゴンの拡散モデル

*兵藤 博信1 (1.岡山理科大学フロンティア理工学研究所)

キーワード:拡散モデル、過剰アルゴン、貫入岩

K-Ar年代測定における過剰アルゴンは変成岩でしばしば観察されるが、接触変成域でも報告がある. 一般的にそれらの起源は不明であるが, 低い閉止温度を持つ鉱物と高い閉止温度の鉱物による相互作用に起きると考えられる場合がある. ここでは拡散のみを仮定した貫入岩の接触域のモデルを紹介する. 貫入岩の冷却に関する数学的モデルの解は既に教科書にある(Carlslow and Jaeger, 1959). 有限差分法を用いて二つの鉱物の脱ガス過程を時間および接触部からの距離の関数として表したのが図である. 二つのグラフはどちらも波の様な形を持ったアルゴン分圧の変化が時間, 距離に起きていることを示している. これらのパターンと強度を決める大きな因子は母岩の透過率に強く影響される流体によるアルゴンの移動である.
参考文献
Carslaw, H.S. and Jaeger, J.C. (1959) Conduction of heat in solids, 2nd ed. Clarendon Press, Oxford.