[SSS15-P05] 地震性滑りのプロキシとしての炭質物の熱熟成反応における含水状態の影響の実験的評価
キーワード:炭質物、赤外分光法、ラマン分光法
地震性滑りの指標として、断層中に含まれる炭質物の熱熟成反応が近年、用いられている。しかし、地震発生時の断層は水で満たされているにもかかわらず、水が炭質物の熱熟成反応に及ぼす影響については未だ精査されていない。そこで本研究では、水と共存する状態での炭質物の熱熟成の反応性を調べるため、褐炭と瀝青炭を用いて、炭質物-水量比・ターゲット温度・昇温速度・加熱保持時間を変化させた加熱処理を実施、熟成度の変化の実験的な精査を試みた。炭質物と同時に真空封入する水としては、炭質物-水量比が 2:1 での実験ではモンモリロナイトの構造水と層間水を利用し、1:4 の実験では蒸留水を用いた。
実験後試料において、赤外およびラマン分光分析による分子構造の解析を行った結果、炭質物-水量比が 2:1 における 300、800、1300℃での 40 秒間の加熱、1:4 における 350℃での 1、3、5 時間の加熱による、Aromatic C−H 結合の離脱・グラファイト構造の発達に水の有無による有意な差が認められなかった。よって、水の有無は炭質物の熱熟成反応に影響しないこと言える。すなわち、これまでの構築されてきた炭質物の熱熟成反応の履歴は地震時の摩擦発熱の指標の指標として適用できる。
実験後試料において、赤外およびラマン分光分析による分子構造の解析を行った結果、炭質物-水量比が 2:1 における 300、800、1300℃での 40 秒間の加熱、1:4 における 350℃での 1、3、5 時間の加熱による、Aromatic C−H 結合の離脱・グラファイト構造の発達に水の有無による有意な差が認められなかった。よって、水の有無は炭質物の熱熟成反応に影響しないこと言える。すなわち、これまでの構築されてきた炭質物の熱熟成反応の履歴は地震時の摩擦発熱の指標の指標として適用できる。