JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS16] 活断層と古地震

コンビーナ:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、近藤 久雄(産業技術総合研究所 活断層・火山研究部門)、大上 隆史(産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、佐藤 善輝(産業技術総合研究所 地質情報研究部門 平野地質研究グループ)

[SSS16-P16] トレンチ調査における上載地層に見られる構造に関する検討

*田中 姿郎1木村 慎吾2坂倉 範彦3 (1.一般財団法人電力中央研究所、2.北陸電力株式会社、3.株式会社ダイヤコンサルタント)

キーワード:断層、トレンチ調査

トレンチ調査など上載地層法による断層の活動性評価においては,堆積層に断層活動による影響が及んでいるか否かの判断が非常に重要となる。特に,堆積層(砂礫層)中の礫が傾斜している場合,それが断層運動による現象か,堆積時の現象なのかの判断が難しい場合がある.田中(2018)は,水平に堆積させた砂礫層の基底を変位させた場合と,断層変位は与えず既存の段差を砂礫層が埋める場合のケースに分けて室内実験を行い砂礫層内に見られる構造の違いについて報告した.さらに,田中ほか(2019)は,実際に砂礫層が断層変位の影響を受けている断層露頭を事例として,露頭観察やブロック試料のX線CT観察により,断層変位の影響を受けた砂礫層内部の詳細観察の結果を報告した.今回,実際に浸食作用により形成された基盤の段差を埋める砂礫層の露頭を事例として,堆積層内部の詳細観察を行った結果について報告するとともに,実際の断層露頭(田中ほか, 2019)との比較・検討の結果について報告する.これら両者の堆積物中の構造の違いについての知見が蓄積されることにより,断層の活動性評価をより正確に行うための一助になるものと考える.