JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-VC 火山学

[S-VC46] 火山防災の基礎と応用

コンビーナ:宝田 晋治(産業技術総合研究所活断層・火山研究部門)、吉本 充宏(山梨県富士山科学研究所)、千葉 達朗(アジア航測株式会社)、久保 智弘(山梨県富士山科学研究所)

[SVC46-03] Xバンド船舶レーダを用いた火山噴石の検出実験

*真木 雅之1西 隆昭2中谷 剛1Kim Yura1小堀 壮彦3徳島 秀彦4藤吉 康志5爲栗 健6井口 正人6遠藤 寛治7海賀 和彦7 (1.鹿児島大学地震火山地域防災センター、2.鹿児島大学水産学部、3.鹿児島大学大学院理工学研究科、4.FRSコーポレーション株式会社、5.北海道大学名誉教授、6.京都大学防災研究所、7.株式会社光電製作所)

キーワード:火山噴火、火山噴石、桜島、船舶レーダ

船舶レーダは、ファンビーム状電波を射出するスロットアンテナを高速で回転させることにより、海上を移動する小型ボートや係留ブイを確実にとらえることができる。この特徴を用いれば、火山噴火に伴って放出される噴石を検知できるかもしれない。そこで、形状や大きさが既知の疑似噴石を使って船舶レーダによる噴石の検出が可能かどうかを二つの野外実験(セスナ機を使った小さな疑似噴石の投下実験と打ち上げ花火を大きな噴石と見なしての検出実験)で確かめた。疑似噴石を用いた二つの野外実験から船舶レーダによる噴石の検出は可能であることが確かめられた。疑似噴石の大きさ・形状・密度、放出源を既知情報として疑似噴石の軌跡を計算し、実際に観測された軌跡と比較したところ,小さな噴石、大きな噴石ともに理論計算結果と観測結果はよく一致した。このことは、船舶レーダ観測から噴石の軌跡を求めることにより噴石の大きさを推定できることを示唆している。